ロレッタブログ

イオン導入について - 2010.09.20

カウンセリングをしていると、「美顔機でイオン導入をしています」という方がたまにおられます。
何を導入しているかというと、化粧水が一番多い。イオン導入機はなんでも導入できるわけではありません。化学の原則を無視して、「やればなんでも浸透する」とは決して思わないでくださいね。

・イオンというのは、プラス、またはマイナスの電気をもつ原子や原子のかたまりのことです。プラスの電気を持つものは、プラスイオンで「カチオン」と呼ばれます。マイナスの電気を持つものは、マイナスイオンで「アニオン」と呼ばれます。
・ある原子に弱い直流電流を流すと、分子はイオン化して、カチオンとアニオンに分かれます。これは磁石と同様で、それぞれアニオンはプラス極、カチオンはマイナス極に集まります。
・この現象を利用して、化学物質をイオン化して、ただ塗布するよりも皮膚深部に浸透させることができます。その深さは、約2cmと言われます。

上記の理由から、
①イオン導入が可能なのは、「浸透させたい化学物質がイオン化される化学物質」でなければなりません。
②コラーゲンなどのタンパク質は、イオン化は可能ですが、分子が大きすぎるために皮膚を通過しません。
③イオン導入のためには、電気を通さない脂質(脂)ではなく、電気を通す水溶性(水)である必要があります。
④効果と有効性が化学的に立証された成分をイオン導入しなければ、行う意味がありません。つまり、水溶性であれば何でもよい、というわけではありません。
⑤イオン導入を行うための電流は、それに最適なものでなくてはなりません。
⑥強ければ強いほど良いわけではなく、常に安全な範囲内の強さでなくてはなりません。強すぎれば、火傷の危険性があります。
⑦長時間やればやるほど良いわけでもありません。

他にもまだまだ条件はあるし、これらの条件をクリアした上で行った場合にのみ、イオン導入は有効になります。
該当しないものが1つでもある場合は、やっても無駄です。無意味で不必要なケアで肌を傷める前に、「確実に自分が理解し、本当に判っていることだけを行う」ことが大切です。

もしあなたがここに書いていることが「よく判らない」のであれば「自分が理解し、確実に実行できる簡単なことを行う」ことが大切です。往々にして正しいことって、聞き飽きていたり当たり前すぎて退屈だったりするものです。だから皆、ちょっと違った事・目新しい事をやったほうが一足飛びにきれいになりそうに思うのでしょうね。「スキンケアはサイエンス」です。自己判断や巷のうわさに惑わされず、確実に有効であることを行ってくださいね。