ロレッタブログ

④「ママの子ならきれいでなくっちゃ 女王様ママを持つタイプ」 - 2013.11.11

④ママの子ならきれいでなくっちゃ 女王様ママを持つタイプ
・母親が美人である。または「女性は美しいほうが優れている」と確信している
・母親に似なかったり、母親の価値観のために、傷ついた経験がある
・母親が支配的で、小さいころからなんでも母親が決めてくれていた
・母親に言われたとおりにやっているほうが安心できる
・母親が喜んでくれることが、いちばんうれしい
・なんでも母親に相談しないと不安である
・自分がどうしたいのかがハッキリわからない
・母親が一番の話し相手で、同年代の友達があまりいない
・父親ともあまり話をしない
・ノーと言えない性格

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『親と子の関係とは特別なものです。切っても切れるものではありません。そしてときには、そこに魔物が棲んでしまうこともあるのです。切っても切れない関係だからこそ、魔物も棲みついてしまうのでしょう。
もちろん、多くの場合においては、親と子の関係とはこころ温まるいいものだと思います。親が子にかける愛情や、子が親を慕う気持ちとは、素晴らしい感情です。見ていてこちらも幸せになるような、すてきな情緒です。ときにいきすぎて親ばかになってしまったり、ときにいたらなくて親の心子知らずなことも、それはそれでほほえましく思います。
しかし、その素晴らしい親と子の関係も、ときには間違った方向へ行ってしまうこともあるのです。そして、一度間違った方向へ進みだしたら、どんどん行ってしまうことになるのも、それが親と子の関係であるからなのです。』

『美容外科手術を希望してくる人たちのなかには、母親からすすめられて来たという人もいます。母親から美容外科手術を受けるように、はっきりとすすめられたという人もいますし、母親からはっきりとしたかたちですすめられたのではないが、母親との関係のなかで美容外科手術を受けたほうがいいのではないかと考えたという人もいます。
その両方を合わせると、かなり多くの人たちが、母親との関連で、美容外科を受診してきています。
驚かれる方もいらっしゃるのではないかとおもいます。わたし自身も最初は少し驚きました。美容外科手術というものは、どちらかというと、親はそれほど賛成しているわけではないんだけれど、本人がどうしてもやりたいと言うので、というパターンや、本人がそう希望してきたときにはじめて親もそのことについて考えてみて、本人の自主性に任せるというかたちで認めるというパターンがほとんどなのではないかと考えていたからです。』

『しかし、考えてみれば、驚くようなことではなかったのかもしれません。母親というのは、ともすると、子供に自分を投影しすぎることがあります。そして、子どもが輝くことイコール自分が輝くこと、だと思ってしまうこともあります。子どもに自分を投影しすぎている母親にとっては、娘が美しくなければ、自分もまたくすんだ気持ちになってしまうのです。
また、子どものことをアクセサリーのようにとられている母親もいます。そのような母親にとっては、一緒に連れている娘が美しいほうがサマになるのです。
それから、支配的な母親というのもいます。そういう母親は、なんとか娘を自分の合格点がでるようなかたちにしないと気がすまないのです。そうして、そうするために、どうにかしようとやっきになるのです。母親が持っている価値観は、なににもまして、娘に強い影響力を持っています。母親の価値観が、「女性にとって美貌は重要である」とか、「女性は美しいほうが優れている」という方向に大きく傾いている場合、娘もまたその価値観を自分に取り入れることになるでしょう。子どもとは、親の価値観を、意識的にも無意識的にも取り入れていくものです。』

このようなケースは、ことのほか多いのが現実です。』

『支配的な母親は、だからといって、性格の悪い人間だというわけではありません。決して、意地悪をしようとしているわけではないのです。すべて、よかれと思ってやっていることばかりなのです。しかし、ときに、あまりにも先回りをしすぎてしまっていたり、自己本位すぎたり、ものごとにたいする見方がずれてしまっていることがあるのです。たとえば、母親が娘に向かって「このままだとお嫁のもらい手がなくなってしまうわ。それだと困るから、美容外科手術を受けましょうね」と言うとき、それは娘の幸せを願ってこそのことばなのです。でも、その考えはあまり正しいとは言えないし、言われたほうの娘にしても、なんとなく納得がいかないこともあるのです。しかし、母親はそのことにまったく気づいてはいません。
あくまでも自分の言っていることは正しいと考えていますし、娘にたいしても「ママはあなたのためを思って言っているのよ」とたたみかけるのです。
女王様ママを持つタイプの女性たちは、そうした支配的な母親に育てられました。
そして、そうした母親から、精神的に自立するということが、なかなか難しいようです。ですから、美容外科手術のことにしても、自分自身で決めてきたのではなくて、母親からすすめられてくることになったわけです。』

『さらにいえば、女王様ママを持つタイプの女性たちは、自分でなにかを決めるということよりも以前に、自分がどうしたいのかという意思がハッキリとしないのが特徴です。自分のなかになにかが湧き起こり、なにかを感じ、それをとらえて自分の意思を持つ、というプロセスを経るよりも前に、いつも母親が決めてくれていたので、いまや自分の意思がハッキリと持てなくなってしまったのです。それに、なまじ意思をもっても、強い母親によって却下されてしまったという苦い経験もあり、いまではすっかり意思を持つことをあきらめてしまった、ということもあります。このような家庭において、父親の存在とはおおむね影が薄いものです。娘はしっかりと母親の支配下に置かれており、父親はかやの外に置かれています。父親の社会的ステータスはきちんとしているということが多いのですが、そうしたことは家庭の中においては結局は関係のないことなのです。父親自身、家庭外のことで忙しいので、家のことはめんどうくさいと思っていたり、母親と娘はいつも一緒でなんだかやっているみたいで楽しそうだから放っておこうと思っていたりします。また、女王様ママを持つタイプの女性たちは、小さなころから母親と過度に密接な関係にあったため、同年代の友達が少ないという人が多いようです。』

『いろいろな人と関わる機会を持てると、さまざまな価値観に触れることができるのですが、女王様ママを持つタイプの女性たちは、母親と多くの時間をすごしているため、母親の価値観をそのまま取り入れることになります。そういった環境に育った娘たちの願いとは、母親を喜ばせたい、ということに尽きるのです。女王様ママを持つタイプの女性たちには、美容外科手術を受けるときに、そのプロセスのなかで心理的な問題が起きてくることがあります。ほかのタイプの女性たちとくらべて、トラブルが起きやすいのです。それは、手術のせいでトラブルが起きた、というよりもむしろ、もともとあったトラブルが手術をきっかけにして起きてきた、というほうが妥当だと思います。もちろん不幸にして、そこに手術上のミスが重なれば、より複雑で悲惨なことになります。では、なぜ、心理的なトラブルが起こりやすいのでしょうか。いちばん大きな理由は、大切な自分の顔のことなのに、母親を喜ばせたい、という間違った動機から手術をうけてしまったということにあります。どのような間違った動機から手術を受けたために、せっかく美しく変わっても、自分自身ではどのようにそのことを喜んでいいかがわからないのです。』

『そして、せっかく喜んでくれるかと思ったのに、母親の反応が悪かったり、思ったほどではなかったというときには、娘はものすごく落胆してしまうのです。あまりにも落胆してしまって、生きる希望さえも失うほどです。
娘にしてみると、お母さんのためにがまんしてここまでやったのに・・・・・・、という思いがあるのです。』

『あきらめない母親は、もっときれいになれるはず、と考えて、娘に再手術をするようにとすすめる場合があります。そして、娘のほうも、まだ合格点に至らない自分を感じて、それに応じてしまうのです。そうなるとそう簡単には抜けきれない悪い循環に入ってしまうことになるのです。美容外科手術を繰り返すことは、形態的や機能的な問題も起こりやすくなるので、あまりおすすめできることではありません。』

わたしがお会いした、女王様ママを持つタイプの女性たちはみんな、それまでにほかのところですでに美容外科手術の経験がある人たちばかりでした。』

『美容外科手術を受け続けるという手段によっては解決できない問題がある場合には、ほかの手段を考えなくてはなりません。
それは、心理面の治療をするということです。心理面の治療とは、自分と母親の関係を見つめ直す、そして、自分自身を見つめ直す、ということです。それには、母親の協力も大切なものになってきます。女王様ママを持つタイプの女性たちのなかには、ときに、とても不幸な結果を迎えてしまう人もいます。そのことを、わたしは、こころから残念に思います。』

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■わたし(著者)からのメッセージ
「あなたの顔はあなただけのもの」
自分の人生は自分だけのものです。自分の顔は自分だけのものです。自分の人生をどうしたいのか、自分の顔をどうしたいのか、ということは自分自身で考えましょう。自分の考えがハッキリしないうちは、行動を起こさず、ハッキリするまで待ちましょう。顔は一度変えたらもとへは戻りませんが、美容外科手術はいつでもできるのです。
母親とだけではなくて、友人や年長者など他の人と話をしてみるのもいいかもしれません。
いろいろな人とかかわるうちに、自分がほんとうにしたいことがわかってくるでしょう。