ロレッタブログ

里親会の3団体に聞いてみた - 2014.12.17

里親会からの譲渡が初めてだったので、他の里親会3団体に問い合わせをしてみました。
「猫や犬を保護している団体は、このような健康状態や説明なしでの譲渡が一般的なのでしょうか?」と。すると翌日までにすぐ回答がありました。これもまさに「命に対する責任感の違い」としか言いようがないですね。

■回答1
「中野区は、不妊、去勢に行政が助成せず、ボランティアとの連携、協力も進んでいない地域とは聞いていましたが、これほど残念な譲渡をいまだに行なっているとは驚きました。これで譲渡時に里親さんから医療費をご負担いただいているとしたら、無責任といえるかもしれません。

猫が保護されますとまずは病院へ搬送となります。
猫エイズ白血病の検査はもちろんですが、ノミ・ダニの駆虫、獣医師による健康診断が実施されます。それによって、真菌、疥癬等があれば継続して治療となります。さらに下痢がつづけば、コクシジウム等の疑いもありますので便検査を行います。
私共では、特にシェルターのような保護施設を持っていないため動物病院にて猫の預かりを依頼しています。
飼い主のいない猫の活動に賛同してくださる病院ですので、ボランティア価格にはしていただいていますが実際のところ医療はかなり発生しています。この医療費は、当会の会費やご寄附等でまかなっております。里親さんには譲渡時には医療費などをご請求する方式はとっていません。理由としては、猫の飼育には医療費・食費等、これから費用がいろいろと発生するためです。
もちろんお気持ちで、ご寄附を頂戴する場合もございます。
当会では、できるだけ譲渡時には健康な状態で猫をお渡ししております。今回、甲原様がお感じになったようなことも避けたいということもありますし、やはり私共のような保護団体から猫をむかえてよかった。次もそうしたい、と一人でも多くの方に思っていただくことが地道ではありますが、全国的に不幸な猫を減らすことにつながっていくと考えるからです。

よりよい譲渡を受けるためには、信頼のおける団体を選び、十分なインフォームドコンセントを行なった上で、猫ちゃんを迎えるのが良いかと思います。ともあれ、猫ちゃんには罪はありません。ご縁があって迎えられた猫ちゃんを大事にケアしてあげて、ともに幸せに暮らしていただければと、当会としても願うばかりです。」

■回答2
「お問合せいただいた件ですが当団体では出来る限りの健康チェックを行ってから里親募集をしております。保護して直ぐは耳疥癬などの他の猫にうつる可能性がある害虫や病気がありますので1~2週間は隔離をしています。また、お腹の虫なども検便をし、駆虫薬も必ず2回は飲ませております。ただ、駆虫に関しては100%の駆除が難しいので里子に出す時に再度駆虫薬を飲ませてからお届けをさせていただいております。また、譲渡猫の体調を見てお届けもしておりますしもし、風邪など何かしら体調が悪い場合、お届けを延期するか里親さんにご相談をして、里親さんがケアが出来る方でご了承をいただければお届けすることもあります。(もちろんあまりに体調が悪い場合は延期してます)

当団体の里親会には周りのボランティアさんも参加しておりますが参加されているボランティアさんも当団体と同じようなケアの出来る方のみ限定して参加いただいております。ただ、動物ですので体調を崩したり、表面に現れていない病気などもありますしたくさんの保護猫がいるため、見落とすこともあり100%とは言い切れないと思います。これはどこのボランティアさんでも同じかと思います。さすがに疥癬などの他にうつるものは見落としはないよう最善の注意を払っておりますが。(でないとたくさんいる保護猫にうつり高額な医療費がかかりますので)なので、譲渡された猫が耳疥癬があったとのことその団体の他の保護猫たちは大丈夫なのかと心配になりました。」

■回答3
「内容拝見しまして、可能な限りのお答えをさせていただきたいと思います。どの団体様から譲渡されたかはわかりかねますので、当団体での譲渡につてい説明させていただく中でご理解いただければと思っております。まず、病気を疑われる猫の場合には、必ずその旨をお伝えします。病気が判明しているときはその病名と、症状、そして将来的にどのような治療と飼育上の注意が必要か、までを説明します。エイズ、白血病はもちろんのこと、猫風邪、耳ダニ、疥癬、皮膚病、ホルモン異常、尿道異常、その他、その時点でかかっている病気すべてです。なお、猫風邪(くしゃみ、鼻水、目やに)や疥癬、耳ダニなど移る病気の場合には、先住猫のいるおうちには治るまで譲渡しません。以前は猫風邪、耳ダニで3週間も待っていただいたご家族さまもいました。なお、トライアル飼育(お試し飼育期間2週間~1か月)に出たあと、ご説明していたエイズがストレスにより発症し、クリニックに入院しているその子をひたすら待ち続けてくださっているご家族様も現在いらっしゃいます。

移らない病気の場合にはすぐに譲渡しますが、その場合も長期的に治療やサプリメント、療養食が必要な場合には、納得していただいたうえで、必要なものを購入し続けていただくことを条件に譲渡します。譲渡してから療養食をやめて安いご飯にしたために、悪化することを避けたいためです。説明したうえで、長期的な費用がかかるものなのか、いっときの病気なのかを理解していただくことが大切だと思っています。なぜなら、当然、最後まで長く飼っていただく(20年も養うのですから!)ことが前提だからです。お金も病院代もかかりますので、それはお伝えしておくべきことだと思っています。猫風邪も、一度かかると治ってもウィルスは持ち続けているので、免疫力が落ちるとまた発症します。人間の風邪のように抗生物質で治りますが、免疫力が落ちないように栄養価の高いご飯と、温かい室内を保っていただくようにお願いすることもあります。

また、そういった説明が漏れなくできるように、当団体では「譲渡会(お見合い会)」を月に2回行っており、実際に目で見て健康状態を確認したうえで、説明を行ってからお申込みをいただくようにしています。(他の子に移ったり、来場者さまを通じてお家に帰って先住猫に移ると困るので、猫風邪、疥癬、耳ダニなどの子は治るまで参加させませんが)
また、個別に重篤な病気の場合には代表がブログで明確に発信し、病気をわかったうえで覚悟がない方には譲渡しないというむしろ厳しい方針を貫いております。

甲原様のように保護動物にご理解があり、また積極的に活動を応援してくださるかたがこのような思いをされたのは本当に残念に思います。保護団体のひとつとしては改めて肝に銘じて「説明する」ことを徹底する必要があると思いました。
どうか今回のご経験がすべてではなく、むしろ数少ない一端である(と信じていますが)とご理解いただき、引き続き保護動物(もとは飼い猫だったり、人が捨てたりした猫)と暮らすことを広め続けていただければ幸いです。」

誠実さ。その一言に尽きますね。