ロレッタブログ

セラピスト2015年10月号掲載 - 2015.09.08

7月末に取材を受けた専門誌セラピスト10月号が発売されました!毎回反響が大きい手技の特集号です。

27362547_1

第1特集“お手上げ症状”を改善する手技力アップ講座の座談会に登場。
新富町にある藤田先生のサロンには3年ほど前に一度伺ったことがあります。広橋先生は、奥様の憲子先生が海外のマッサージ本の翻訳をなさっていましたね。数年前のことですが私は原書を購入して英語でせっせと読んでいたのですが、なんとその2か月後に日本語訳が出版されたんですと!なので、うちには原書と日本語訳の両方があります。(笑)

スクールやセミナーで学んで開業、あるいは未経験で即開業という人が多い業界ですが、私はとにかく一度数年間は質の高いサロンに勤務し、技術・接客面以外に社会人として徹底的に訓練を受けることをお勧めしています。どんな仕事にも通ずると思いますが、実学はスクールやセミナーでの座学や短時間の相モデルレッスンで学ぶだけでは得られないことが膨大にあります。
P1040488

そして職場の先輩たちは、新人や後輩をやたらと持ち上げる必要もありませんが、ただやみくもに声を荒げて怒ったり(叱と怒は違う)一から十までダメ出しをするのではなく、自分が右も左も分からなかった頃を思い出して温かく長い目で指導することが大切でしょう。決められた動作や作業の目的と意味を教えずにただ指示されるままに動くのでは、最初は我慢できてもいずれ嫌になって辞めてしまうのがオチです。「厳しく指導する」の意味を「とりあえず何でも怒鳴り散らすこと」と勘違いしている人が多いように思います。この業界は精神的肉体的にも労働量が激務と言われるほどありますから(暇なサロンは別ね)、自分の機嫌が悪いのを弱い立場にある部下に当たり散らす人も・・・美と健康を追求する仕事に就く人が、これでは全く美しくない。まあ、そういうタイプは顔つきに現れているもので。弱い犬ほどよく吠える、自信のなさの裏返しかもしれませんが。

一度に十を注意されて、すぐに十全てをなおせる人は少ないものです。一人ひとり理解と習得のペースは違います。時間がかかるのは当たり前で、クローンを作るように自分と同等のものを望むのは無理でしょう。時には自分が習得に時間がかかった事を、後輩が容易にやってのけてしまうことだってあるはずです。お客様にご迷惑をおかけするような危険な間違いではない限り、焦らず一つづつ、確実になおしていけばよいと思います。責任を取りたくないから叱らない「優しいだけの指導」も問題ですが、反発や反感を招いたり萎縮させるような指導は優れた指導とはいえません。昔のスポ根は最悪の例で、時代にそぐわない根性論にしがみつく愚の骨頂だと思います。自分がされて嫌だった指導を、人に繰り返すのは愚かです。

もちろん、基本中の基本を疎かにする人は問答無用ですよ。
フェイシャルのなら皮膚断面図が書けないし説明もできない、ボディなら主要な筋肉と骨の名称が言えない、手指爪が手入れ不足(爪を伸ばしている人は論外)、「趣味だから」「副業だから」を基本が疎かなことの言い訳にする、などですね。1円でも人からお金を頂戴するのであればプロです。不勉強の言い訳にはなりません。

それらを踏まえたうえでロレッタに学びにいらしてくださる方に対する私の指導法は、やたらと持ち上げて褒め讃えることもせず、かといって怒ったりけなしたり声を荒げることもせず、淡々と必要なことを指摘し、教えていきます。
全てを自分で教えようとは思っていないので、必要に応じて適切なスクールや専門セミナー、専門書などであらかじめ学ぶことをお勧めすることもあります。せっかくのお金と時間を学びに費やすならば、他でまかなえることはそちらに任せたほうが、学ぶ本人の時間もお金も効率的に使えますからね。