ロレッタブログ

美人になりたい 中村うさぎ・大高博幸対談 - 2017.10.11

うさぎさんの「美人になりたい/小学館」は何度も読み返しています。

うさぎさんのお肌に対して完全に選択ミスのスキンケア製品を使用した肌の様子は、読んでいてもどかしい!当時私が見立てたら絶対にこんなことにならないのに!!製品選択を誤りすぎです!!売れてるコスメ、高いコスメならいいってもんじゃない!!

そして私が敬愛する大髙博之先生との対談も収録されています。
大高先生は私がゲランのサロンに勤務していた当時、リッツカールトン大阪で催されていた茶話会にトークゲストとして何度もご出演いただいていたのです。その後勤務したニナリッチでも大高先生らしいとても素敵なくエピソードを色々と教えていただきました。日本人にはロジックのない謎のキラキラ系自称美容家が山ほどいるけれど、大髙先生は別格すぎて比較対象にすらなりません!

以下、少し長いですがぜひご一読を。

————————————————————-

うさぎ 外見が整形で変わっていくと、内面も変わっていくと思われますか?
大髙 思いますよ。人工的にきれいになる前はデリケートで愛すべき性格だったのに、切った皮膚と一緒にそれをどこかに捨てちゃったみたいに、長所を失ってしまう人もいるの。
うさぎ 顔の皮とともに、大事な心の皮も失ってしまうんですね。
大髙  そうね。だから、そうならないといいなって、整形した人に対しては思うんですよ。

~中略~

うさぎ 私は外見の美しい人ほど内面の醜さを間違いなく薄められていると思うんですよ。やっぱり、綺麗な顔の人に対しては、採点が甘くなっちゃうんです。同じことをしても「しょうがないのかな」って、優しい気持ちになっちゃうんですよ。
大髙  そう?僕は逆なの。恵まれて綺麗な顔かたちに生まれついてて、「それで全部済むでしょ」って生き方をしてきた人は、その歪みが顔に出て、かえって醜く見える。顔立ちとしては整っていても、内面は顔つきに、表情と瞳に出るよ。目玉に出るの。(笑)
うさぎ 目玉ですか!
大髙  目玉は整形できないでしょ?整形として成功しても、知性とか優しい性格に欠けていた元の顔が目玉に残ってしまう。言葉遣いなどを一応上品にしていても、ふとした時に、目がそれを強烈に感じさせることがあるわよ。
うさぎ それは、ある年齢を経てからの卑しさが滲み出てくるというものですか?
大髙  そうね。23・4歳ぐらいまでは、ほとんどごまかせる。でも、27歳を過ぎるころから、定着液につけたみたいに浮き出てくるわけ。
うさぎ こわーい。
大髙  すごい美人に限らず、普通の女の子でも、たおやかなイイ女になっていくタイプと、自分より年齢が若い子に対して「私が23歳の時はもっと綺麗だったわよっ」ていうふうに、他人をさげすむタイプっているでしょ?それは27歳あたりから、はっきり分かれ始めるの。
うさぎ 27歳は女の顔の分かれ道だったんですね(笑)。そうか、深いなあ。
大髙  若さが失われていく段階で、スイッチするみたいに出てくる女の人の魅力ってものがあるよね?女の人にはいろんな魅力があるけど、ひとつ、母性的な魅力は誰にでもあると思う。そいうものにスッと変わっていくと、ヘンなことにならないのね。もちろん、ぎくしゃくしながら行くというのもあるんだけど、変わっていかない人はダメね。27歳ではっきり、地獄にいくか天国に行くか分かれる(笑)。
教え子に、そういう意味ですごく危ない子がいたのね。彼女にこの話をしたら、「先生、いま私はそうなっていますか?」って言ったの。だから、「そうね、一歩手前のところにいるよ」って言ってあげたの。
うさぎ へぇ!
大髙  それまでも、それとなく言ってあげてたんだけど、その子は非常に激高しやすいヒステリックな性格だったから、なかなか伝えてあげにくかったのよ。でも、その時に「この子、救われたな」って思った。
うさぎ そこで気づいただけでもよかったですね。
大髙  ほんとにそう。自分でそういえたことで、自分自身に対する誠実さと、僕に対する誠意や信頼を確認したのよね。自分から名乗り出たワケだから、「危ないところだよ」と教えてあげられたの。そしたら彼女、言葉づかいや人に対する行動の仕方をコントロールする術を身につけるようになった。言ってよかったし、彼女が聞きだす勇気を持ってくれて、良かったと思う。
うさぎ その人にとっては、教えてくれる人がいてよかったですね。見所があると思ったから、先生も言ってあげたわけですよね。
大髙  そうよ。誰でも長所と短所が背中合わせになってるものでしょ?コントロールできればいいけど、それが下手な人もいる。バランスがとれてないから理性的に考えられなくて、危険な方にむかってしまうのね。ふんわりとした印象の人でも、そういうことってなくもないよ。
うさぎ そうですか。ふんわりした印象の人でも、悪い方向へ行ってしまうこともあるんですか?
大髙 そう。ジワジワと悪い方へ行ってしまうの。なにかが引き金になるんでしょうねぇ。
うさぎ エキセントリックな人って、どこかの時点で自分が浮いていることに気づかざるを得ないですからね。「私は普通の子。こんなに優しいし、人にも気を遣うから、いい子でしょ」って思ってる人だと、そのまま行ってしまいますよね。
大髙 そうね。そつなくしていて誰にも注意されないようなバランスの保ち方をする人って、いるよね?どういう人独特の危なさっていうのがある。どこかの時点で誰かに言ってもらったり、少しだけでも自分で気づいて、誰かに相談すればいいんだけど
うさぎ ジワジワと間違った方向に行っちゃってて、そのままだと、三十歳、四十歳になった時には、卑しい目玉をした人間になってるんですね。みんなから非難されたことは一度もなくて、むしろ良妻賢母型に見えるくらいの人なのに、目玉が卑しいなんて、怖いな。

—————————————–

たしかにそういう人いますよね。美とお金は女性を高慢にする傾向があるのは確か。男性の場合は社会的地位とお金が高慢になる要素かな。慢心してしまいがちな自分を客観視できる素養があるか否か、ですよね。でもまあ大抵は高慢街道を突っ走るパターンになるかなーと思います。(苦笑)35歳過ぎたあたりから、もう誰も指摘してくれなくなるので、往々にして暴走してますよね・・・。ゲイバーのママとかうちぐらいしかはっきり言わないような気がする。(笑)

では、大髙先生の語る「自分の美しさを引き出すようなメイク」とは?
続きは明日。