ロレッタブログ

美人になりたい 中村うさぎ・大高博幸対談<つづき> - 2017.10.12

昨日のつづき

うさぎ よく、「自分の美しさを引き出すようなメイクをしなさい」って雑誌でも書かれていますが、自分の美しさが何なのかって、なかなかわからないものですよね。
大髙  そうだね。ほとんどの人はそう。
うさぎ 自分の美って、一歩間違ったら自惚れになってしまうかもしれないですよね。勘違いすることってあるでしょ?ちゃんと見つけてあげないといけないとは思うけど、難しいと思うんです。
大髙  それは本当に難しい。一朝一夕ではつかめない。
うさぎ 普段からどういうことを心がければいいんですか?
大髙  難しいことを次から次へと聞いてくるわね(笑)。よく聞かれることだけど。まず、客観的に自分を見るという、なんらかの方法をとること。ああいう女の人になれたらいいなと思うような人と、あの人は綺麗かもしれないけど嫌いだから、ああはならないようにしようっていうような人と、両方のタイプの教師的な存在を見ていれば、わかってくるはず。それは、周囲の人でもいいし、女優さんでもいいの。
それと、親しい人が「今日のアイメイク、素敵」とか「今日はファンデーション、塗りすぎじゃない?」って言ってくれるといいのね。あまり大勢の人に聞くと、いろんな見方が出てきちゃうから、愛情を持って本心から言ってくれる数人の声を聞くんです。それは、概念的に「男ウケする顔でいいよね」なんて言う声ではなくて、厳しく本当のことを言ってくれる人ね。そういう人がいれば、きっと客観的になっていけるし、そのうえで主観ができてくればって、思うよ。
うさぎ ははぁ、なるほど。客観的にならずに、盲目的に「自分はこうだ」って突き進んでしまうと、すごくおかしなことになる場合ってありますよね。
大髙  そうです。だから、ある程度お利口じゃないとダメなのよね。勉強ができるできないではなくて。

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大髙先生の発言に一言一句激しく同意!!!!

内面は顔つきに出るというのは、造形は整形できても目の輝きと口元の活き活きとした感じは整形では作れない、と私が記したのと同一。そして、私がいつも「綺麗でいるならその前に賢くなければ」と言っているのと全く同じことを語っている。大高先生は自ら店頭に立って販売をしていた方なので、揺れる女心もとてもよく理解している。

自分が整形できれいになるとつい他の女性を見下したり傲慢さが前に出る女性は、はっきりいってとーーーっっても多いです。傍目からするとこういう有様が最も美しくないんですけどね。こういうのって顔立ちをきれいに整えても、顔つきと言動に出てしまうものなのだけど、大抵の場合は本人は客観性の欠如しているからそうなるわけです。それを気付かせてくれるのが「厳しく本当のことを言ってくれる人」なんですが、美のヒエラルキーの上位組の自負があると聞く耳持たなくなっちゃってることが多いので惜しい。

とはいえ、優越感を感じるのも劣等感を感じるのも、一見真逆なようで実はどちらも自分と他人と比べる行為。自分に自信がないことの現れなんです。それを隠すための傲慢という鎧をまとうのが優越感、卑屈で表出するのが劣等感。だから本来は、どちらにも偏らないほうが生きやすいんですよ。他人との比較や勝ち負けとは無関係な世界で、ひたすら自分のことに邁進して努力していると、自尊心や健全な自己愛が育まれます。

コンプレックスが原動力になり何かを成し遂げる糧になるというのは、私を含めほとんどの人がそうだと思う。だからコンプレックス自体は決して悪いものじゃない。でもそれを埋める方法として、自分より劣っている存在を見下したり侮蔑しなくてはならないのは不幸な生き方としかいいようがない。そしてこれはコンプレックスの根源的な解消法には決してならないんですよ。コンプレックスの克服は、他者じゃなくて己と向き合って格闘してこそだから。他者との比較を基準にするのは対処法を完全に間違っているわけ。

大髙先生を見習って、私は美容とエステの分野で女性の人生のどんな時もどこまでも力になれるよう、これからも「愛情をもって厳しく本当のことをちゃんと伝えられる人」であるようにつとめます!