ロレッタブログ

食べ物はお肌に塗らないようにしましょう - 2017.11.30

食べ物を肌に塗ることでアレルギーを発症する方がいます。「経皮感作」という、皮膚に塗ったもので身体の免疫システムが反応してしまい、食物アレルギーを発症することがわかっているのだそうです。食べられる化粧品だから安全、なんていう売り文句もたまにみかけますよね。しかしそもそも食べ物は食べるためのものであって、皮膚のケアをするものではありません。

ただ皮膚がかぶれただけなら外用薬で治ることが多いですが、経皮感作は皮膚だけではなく免疫系の誤作動。その影響は全身に及ぶため、アレルゲンとなる成分を含むものが皮膚への塗布をきっかけに、口からも摂取できなくなることがあります。数年前に小麦成分配合石鹸で経皮感作をおこしたため、小麦製品が食べられなくなったという事例もありましたよね。

だからといって全ての食べ物が経皮感作を起こすわけではないのですが、皮膚のバリアが荒れたり弱っているときは、バリアから異物が通過してくるため感作を起こしやすくなります。特に湿度が低く寒気にさらされる冬場は、スキンケアをさぼってしまい、バリア機能が低下した皮膚がかゆくて知らぬ間に掻き壊し、血が出たり傷になったりする方も。かゆいとイライラして不機嫌にもなるし、傷を見ても憂鬱だし、着るものもチクチクしてますます不快になるという悪循環に陥ります。慌てて相談されてももうスキンケアでは間に合わない状態になってしまっている方がちらほらいらっしゃいます。結果的に皮膚科に駆け込むことになるのですが、色素沈着などの後遺症が長く残る方も少なくない。

365日、1年を通じた顔と身体への正しいスキンケア習慣の励行がいかに大切かを考えさせられます。
全身を包む1枚の膜である皮膚は、人体最大の臓器です。そして外的刺激に対する防御の最前線でもあります。
サイエンスと正しい習慣に基づいたスキンケアの励行で健やかな皮膚を保つことは、全身の健康にもつながりますよ。

皮膚と食べ物のアレルギー反応について、ぜひ読んでみてくださいね。↓
■皮膚のバリア障害と経皮感作について
テレビで卵アレルギーの患者さんが、ゆで卵の湯気でも顔が紅くなるのをみました。私たちが想像するよりも空気中にはいろんなものが飛んでいるのです。また牛乳は、授乳の際に荒れた口の周りから皮膚を介して入るようです。パン屋さんやケーキ屋さんが小麦を触って、小麦による喘息になりやすいことは以前より有名です。