ロレッタブログ

外反母趾手術 術前に中止する薬剤の把握不足事例 - 2018.12.22

私が外反母趾手術前に必ずしておこうと思っていたのは、筋肉量アップなどのリハビリの備え。
そしてかかりつけの婦人科医の主治医に、服用しているピルの休薬期間と再開時期についての確認がありました。
術後にベッド上での安静が続くと、血栓ができやすいはずと予測したからです。

婦人科では「よく聞いてくれた。手術の2週間前から休薬して、その後はいずれ出血があるのでそこから再開してください。」とのこと。看護師曰く「ピルって意外と毎日気軽に飲んでいる人が多いから、本人も薬という意識がもう無くなってしまっていて、サプリみたいな感覚になっちゃうんだよね。だから患者さんが相談せずに他の科にかかったり手術することって意外と多いのよ。ほんとうは事前に相談して欲しいんだけどね」とのこと。

たしかに、病院側としては患者に語ってもらえないことは知りようもないし、アドバイスのしようもないので、患者側の予測力というか想像力というか、自分の頭で考える力が必要になってきますよね。
何事もそうですが、プロに投げっぱなし&任せっぱなしでは良い結果には繋がりにくいです。さらに事前相談も無い素人の浅知恵&自己判断がプラスに働くことも少ないです。
主治医がいるのなら、まず何事もオープンに自分から相談して、協同作業で考えを深めていった方が結果的に良い形で実を結びやすいのではないかと思います。

その後、外反母趾手術で入院する病院でも、術前の打ち合わせで看護師から服用中の薬について聞かれたので、ピルの名前と2週間の休薬期間の指示を伝えたのでした。

だがしかし!!
手術5日前の金曜日に、外反母趾手術の主治医からの電話が!わざわざ携帯に主治医から直電なんて、嫌な予感しかないですー。(苦笑)
麻酔科医と水曜日に行うオペの打ち合わせをしたところ、麻酔科医から『ピル服用者は休薬期間は1か月間必要』と言われたそう。つまり、休薬期間が2週間しか無いのであれば、今回のオペは中止&延期。もし予定通りのオペをどうしても行いたいなら、婦人科の主治医に一筆書いてもらってからでないとオペができないらしい。

そりゃ入院中に血栓症を起こすようなリスクを予めしょってきてる患者のオペなんて、何かあったら絶対に病院のせいにされるんだから、そんなリスクは追いたくないですよねー。無理もない。
主治医は「金曜日なので、かかりつけの婦人科の受診に間に合うかどうか」をとても気にかけていたのでした。しかも土曜日からGWだったので、急いでお電話くださったよう。そりゃー焦りますよね。

しかーし!!実は私は1か月半前から休薬していたのでした!!
「婦人科の主治医は2週間と言っても、もう約10年のんでる薬だから、2週間の休薬期間で体内から全て排出されるとは思えないし個人差もあるだろう。要はとにかくピルの作用が体内からできる限り消失することが大切なのだから、休薬を長めにするにこしたことはないはず。たいていややこしいことになるのが私のパターンなので、念のため前倒しで休薬しておこう」と念には念を入れまくって、3/24から休薬していたのでした。3/24は自分の誕生日だから絶対に忘れないし!

つまりプロのアドバイスに、自分の頭で更に考えて念には念を入れて、です。
だってようやくスケジュール調整して受けられるようになったオペだし、準備不足で失敗したくないじゃないですか。当事者の自分にできる準備は万端にしすべし。

ということで、すでに入院前から私は、医師、看護師、リハビリチームを含めて病院内では「かんばらさんは手術延期か?!」と入院前から話題の人と化していたらしい。(笑)特に看護師さんたちには「自分から長めにお薬やめてくる患者さんなんて聞いたことない。そんなところまで考えてくる人は本当にいないから『そんな人いるんだー』『なにその人!』ってみんなでびっくりしてた」らしいです。面白がられたのか、みなさん入れ替わり立ち代わり病室にいらっしゃいました。賑やかなネタをご提供できてうれしいです。
主治医、薬剤師、麻酔科医からも「自分で休薬期間を長めに設定してくる患者さんなんてみたことないです。すばらしい判断です。すごいです。本当によくそこまで考えられましたね。」とたいそう褒められたのでした。ヨカッタヨカッタ。

おそらくこのケース以降、院内では「服用薬の事前確認は厳重に!」みたいに申し送りが徹底されたのではないかと推測。(笑)
足専門病院の患者なんて、そもそも平均年齢がかなり高齢なはずだし、実際に入院患者のほどんとが60歳以上という印象(しかも70~80歳が主)だったので、ピル服用の確認なんて病院としても完全に想定外だったのでしょう。

ロレッタのお客様で医療従事者の方々にこのエピソードを話すと、結構「病院あるある」らしいです。

私が服用しているピルは下記の資料に挙げられている一覧表には入っていませんが、いずれにせよホルモン系の内服薬必ず相談した方がよいと思います。
女性の一生は今現在は何も服用していなくても、子宮筋腫、PCOS、不妊治療、月経移動、モーニングアフターピル、HRTなど、今後なにかしら服用の機会があるかもしれません。他科の受診やオペの際には、くれぐれもお忘れなく~。

●公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 医療安全情報 No.125 2017年4月 術前に中止する薬剤の把握不足
添付文書上、手術の際には「禁忌」と記載があることや、患者がその薬剤を内服していることを医療者が把握しておらず、手術が延期になった事例が2件報告されています。