ロレッタブログ

Oggiでお悩み相談 つづき - 2018.12.29

昨日の続き。

ちなみに自分の人生の根幹を舵取りできていない人は、些細なことに固執する傾向が強まることも。
たとえば、袖丈をミリ単位で何回も直したがる、誰の目にも見えないシミにこだわる、などの神経症傾向ですね。世間様を常に気にする性格は歪んだ自意識過剰の現れだからね。真の問題はそこではないのに、考えたくないのかもしれない。だって「自分の人生」といえる生きかたをしてこなかったのだから。それを認めるのが怖いから。何かにつけ不寛容になるので、他人をディスる傾向も強まる。あとは夢中になれることが無いというのもあるかな。いつも他人の顔色をうかがって振る舞ってきたから(他人基準)、「誰が何を言おうが自分はこれをやりたい」なんて自分基準の欲求が湧いてくるはずがないんですよね。

というかむしろ、そもそもいい年になっても崩れるような己の確立すらできていないから、こういうことになるとも言えるのだが、己の不安定なメンタル、その心もとなさを他の問題にすり替えてでも騒がないと、もう自分を保てないのだと推測する。だから、我の強さが出る場面が随分とトンチンカンなところになるという悪循環。

傍から見ていると「生きるのがいつも大変そうですよね。楽しくなさそうですね。」と感じるのですが、いつまでたってもその調子ということはつまり、世間様と他人様に振り回されながら、常に誰かのせいにして生きるほうが当人にとっては実はまだ気が楽なのかもしれません。

しかしひとしきり騒いだところで、また次の不満が出てくる。
というか、こういう人は探し出してでも不満の種を見つけてくる天才なんです。だって感謝が無いから。だから常に不満の対象を見つけては不平を言うという「不幸という道」を邁進します。

ひとつの対処や考え方に固執せず、見方を変えて別の方策や新たな突破口を考えるのが知性であり進化と思うのですが、こういうふうにメタ認知ができない人は、私が見てきた限りですが、30代半ば頃から前述の「固執化」と「不寛容」が顕在しやすく、40代後半ぐらいからはもうどんどん様子がおかしくなっていきます。更年期障害の症状も重い人が非常に多いです。

「若い」「可愛い」「綺麗」「無知」という女性が期間限定で世間様に高売りできる手札がいよいよ使えなくなってきているという事実から目を背けるのが、もうさすがに難しくなってくるのがこの年代だから。

本来「自分探し」は若者世代がやることで、年齢を重ねる過程で自信や自尊心を個々で確立しておいたほうがよくて、そしてそれを成熟と呼ぶのだと思う。自分の特質や特徴というものは、自分よりも他人の方が理解しつかんでいることが多いんです。つまり我々は自分のことを自分では正確に認識できないのです。だから他者を欲する。人とのつながりを通じて自分を認識し、いいかげんで多面的で一貫性がなくうつろいやすい自分を知り、自分への期待や執着を諦めることで自分の内面が豊かになり、自尊心を確立していくのだと思う。
しかし他者と本音で交わってこなかった人はいい年になっても自分探しが続く。そしてそれはいつまでたっても見つからない。だって「私にとって都合のよい私の物語を語ってくれる他者」が欲しいだけなんだから。そんな都合のよい他者はこの世にいないのですよ。

そして否応なく我々は長寿時代に生きており、「自分探し」どころかもうじき「探される自分」になりかねないだけど(身体は元気で頭が認知症だと徘徊するから周りが大変よ)、そういうことを「我がこと」として考えてこなかった人ほど、手札が無くなると迷いがさらに増え、自己決断ができないままで、しんどくなってくるんです。
代わりに「お金」や「社会的地位」にしがみつくというケースもありますが、多少のお金じゃ寂しい心は暖まらないものだしねえ。

自分が探される人間になる未来が視野に入ってきたころに、自分の中身は空っぽだったと気づくのは正直なかなかしんどい。
でもそれもまた自分の選択の結果。誰のせいでもないのですよね。

自分自身の観念を変え、自分にとっての幸せを模索するには、多角的に精査し検討し実行し修正しを続ける必要があるわけで、正直かなり頭も労力も使うわけ。あれもこれもではなく、何かを選ぶことは何かを諦めることでもあるので、それには強靭でしなやかな精神力と自律を要する。
そんな大変なことにチャレンジするぐらいなら、己に対して「見ざる聞かざる言わざる」を徹底するほうがまだ楽、ということなのでしょう。
私はそっちの方が余程大変だと思う方なのですが、まあこればっかりは生き方の違いですからね。何を幸せと感じるかは個々に異なるわけですから、本人なりにしっくりきていて、本人がよければそれでいいんですよ。

余談ですが三猿はもともと四猿の「せざる」もあったらしいですね。性的な意味合いだというのがよくわかる写真。

こちらからお借りしました

自分にとって何が幸せかは自分しか知りえないもの。
人の数だけ、人生の歩み方があります。
誰かのためを言い訳にせず、まず自分のために生きてくださいね。