ロレッタブログ

ネット販売禁止を強要するメーカーの想像力の欠如について - 2019.10.02

先日ブログでご報告したウィルスパイシー、スキンスパイス製品の出荷再開について。沢山の反響をいただきました。応援いただいた皆様、どうもありがとうございます。メーカーの一連の行動は、己の評判を落とす自爆行為みたいなものですよね。

ウィルスパイシー・スキンスパイス商品出荷再開のご報告

 

この数年、エステ業界ではネット上で値引き販売を防止するため(←これが既に独占禁止法違反)に、取引誓約書に「サロン施設内での販売のみ」と記すメーカーが現れてきています。(←ネット販売できていたものを一方的な通達で禁止するのも違法とする判例あり)それならそれで、メーカー側が何らかの利便性の高い方策を考えて提供するのが当然ですが、そういう頭が皆無で、ただ「ネット禁止」とするだけのメーカーが多いです。短絡すぎる。

こうした想像力を欠いたメーカーの通達をみるたびに、私はとても残念な気持ちになります。この業界で20年以上働いていれば、オンラインショップが様々な状況にあるお客様にどれだけ役にたっているかが、よくわかるからです。全ての人が、一生涯、心身ともに健康で、いつなんどきも自分のためだけにお金と時間を使えるわけではありません。開業後3年以内に5割が閉店するエステ業界は、飲食業界よりも苛烈な競争にさらされています。通っていたサロンがいつまでも営業しているとは限りません。経営者自身も高齢化するればいずれ引退・廃業するサロンも出てきます。

「ネット販売一律禁止、施設内でのみの販売とする」そしてその背景に「値引きはするな」という意図のあるメーカーは、お客様もサロンも、一生の間には様々なことが起こり、化粧品を買いたくても買いにいけなくなる、サロンの営業を続けたくても続けられなくなることもあるというのが、全く想像できないようです。

メーカーとしては、ビジネス的に健常者でお金をたくさん使ってくれる人の相手だけをしたほうが、簡単に利益を上げられるでしょう。しかし私は「今の私はそこからは零れ落ちてしまう状況にあるけれど、自分なりに綺麗でいたい」と願う人達のサポートもしたいのです。個人サロンだからこそ、フットワーク軽く小回りの利く多様なサービスが提供できると考えるからです。

サロンには来られなくても何か役に立てることはないだろうか」と想像力を働かせ、まだ個人のオンラインショップが珍しい10数年前に独自で通販ショップを立ち上げ、取扱い先が少ないニッチな商品を探しているであろう方々にお届けすることは、悪いことなのでしょうか?遠方移住や転勤やサロンの閉店などで手に入れようがない品を出して困っている方々への、ささやかな割引サービスは許されないのでしょうか?ネット販売や割引販売で出荷停止するのは、当ショップよりもむしろお客様にとって理不尽極まりないと思うのですが、どうでしょうか?

ちなみに、ネオビクス社には、当サロンのお客様が下記のメッセージをネオビクス社HP上のお問い合わせ欄から送ってくださいました。しかしメーカーからは何の返信は無かったそうです。会社としてどうこう言うよりも以前に、己の値打ちをどんどん下げる愚行っぷりに気がつかないのが不思議です。誰もがご自分の将来に起こり得ることとして、ぜひ読んで頂きたいです。

そして読んだ後に、もしあなたがこの状況で「サロンに来ない方にはお化粧品はお売りできないんです。ネット販売禁止なんで。」と言われたらどんな気持ちになるか、想像してみてください。私は、そういう思いやりのない人やメーカーには、美容健康産業に携わってほしくないです。

担当者様
 
ロレッタのオンラインショップを利用している者です。
この度ネット販売が無くなるとお聞きして、こちらにメールを送らせて頂きました。
 
私には先天性、また中途の障害や病気があり両手が不自由で歩行にも困難があります。
結論から申し上げますと、ネット販売禁止は私たち障害を持った者にとっては非常に困ります。
 
私も障害が重くなる前は普通にお店に足を運び、ショッピングやサロンを“普通に”体験し楽しんできました。
本当は今でも実際にお店まで行ってエステをしてもらったり、お洋服なんかも試着してから買いたいのが本音です。ですが今はその場所へ行くのにも誰かの助けが無いと難しかったり、行くだけで疲れ果てて本来の目的を楽しめないことも多く、通販には本当に助かっています。
 
症状が重く生きることに精一杯の時もあり、美容に気を使ってる余裕なんてないこともありました。でも、ある時ふと鏡を見た時“誰これ?”と愕然とした事がありました。私こんなじゃいけない、ちゃんとしたい、って思いました。やはり女性であり、美しくありたいという思いを持つことは大切だ、とその時改めて実感しました。
 
しかしそこからまた葛藤もあり、試練も続きました。
様々な商品を試すも蓋が開けづらいなど、上手く使えない事も多くありました。
オールインワンなどの商品で済ませていた事もあり、それはそれで悪くはなかったと思いますし、ステップアップにはつながりました。ですが美容の観点からは満足いくものではありませんでした。
 
エステに通えなくてもせめてちゃんとしたものを使いたいと思いました。そういう生活ができるよう仕事も頑張ろう、と生きる張り合いも出ました。大げさに聞こえるかもしれませんが生きるパワーにつながった事は間違いありません。
 
しかし、“いいもの”とされる商品の容器は例え開けやすいように工夫がされていたとしてもそれは健常者にとって開けやすいだけなのです。それにお肌の調子をよく保つためには何ステップも踏まなくてはならない。そのような説明しか店員さんたちはして下さいませんでした。
 
なので、必然的に“あぁ、私には無理なんだなぁっ”と感じることも多くありました。両手が不自由なんで、それでも使いやすいものは無いですか…”とはとても聞ける雰囲気を醸し出してはくれていません。お客様相談のような窓口がある会社はもちろん丁寧に優しく聴いてくれました。それだけで幾分心が救われはしましたが、自分が使いやすくてお肌にもいい商品や使い方を提案してくれる方は1人もいらっしゃいませんでした。
 
やはり今回も自力で解決するしかなさそうだなぁ、と諦めていたところでロレッタの甲原さんと出会いました。
 
この方は今まで出会ったことの無い感じの美容関連の方でした。“プロだなぁ”と感じました。
お化粧品の事はもちろんのこと、私の身体の具合もきちんと把握して下さって、どの容器なら開けやすいかなどを判断し、なるべく少ないプロセスで効果の出る私に合った商品を教えて下さいます。
サロンに定期的に通うことなど出来ない私にも丁寧に、私へのオススメの商品の効果や使用法などを詳しく教えて下さいます。
 
サロンに通うことも商品を店頭に購入しに行く事も困難を伴う私に取ってはロレッタのオンラインショップは欠かせない存在です。
 
恐らくこのように感じているのは私だけでは無いと思いますし、障害のある人だけでは無いと思います。
 
“大多数”から私は漏れてしまうかも知れません。ですが様々な状況において、なかなか商品を購入しに店頭までは行けない人たちがいる事を忘れないでください。
 
長文になり、失礼致しました。
最後まで読んで下さりありがとうございます。