ロレッタブログ

期間限定HPと職人の本 - 2007.11.09

水曜日の朝のこと。
ホテルのある阿波座から、御堂筋本町まで歩いて歩いて。目覚ましのコーヒーを、と立ち寄ったスターバックスでオリジナルCDを何気なく手にとってみたら。
大好きなアーティストの新曲(?)が入っていて、驚愕!日本人なら絶対選ばなさそうなこの選曲。これだけで年を越しても良さそうな気がして、朝からとても嬉しくなってしまいました。
http://www.starbucks.co.jp/music/index.html
そのまま歩いて、ブーランジェリーアッシュまで。
店内には、また以前と違ったパンが沢山。パンの40%がくるみという、ライ麦のパン、クリームとフランボワーズとチョコレートが入ったデニッシュ、などなど。
年内期間限定でHPを作ったそうで、早速訪れてみたところ、なんと店主は代官山イルプルーシュルラセーヌの弓田さんのことを、そのくるみのパンのエピソードで「目標であり、憧れの人。天才で、雲の上の人。」と記していて、驚き!
個人的に、この弓田さんは私もとても尊敬していて、「少量でおいしいフランス菓子のためのルセットゥ」「本当においしいパイの作り方」「狂った食の実態を暴く 破滅の淵の裸の王様」「焼き菓子」など、著書もいくつか愛読したものですが、嬉しい偶然にニコニコ。
今の仕事にまつわる本は勿論読むけれど、共感できるものは料理人や菓子職人の人のお話が多かったりするのです。
専門分野以外のことは何を聞いてもわからないし、世間一般の事象にはさっぱり興味がないので、ネットで興味のあるニュースしか読まない。テレビも見ない、新聞も読まない、ラジオは米軍放送しか流れないし、流行にも興味がなく、雑誌も読まない。
自分の世界に生きているから、他の事はどうでも良いといえばそれまでで。
情報化社会といわれてもうずいぶんたつけれど。
いつのまにやら情報のインプットに必死になりすぎて随分な時間を使っているけれど。
果たしてどの位を実戦でアウトプットできているのかな?
生きていくために必要なことは、とどのつまりとてもシンプルだと思うので、頼りは自分の感覚のみ。
それでも、1人の職人がどうやってその道を歩いてきたか、という話は面白い。
現場で叩かれながら働くのと、学校で勉強するのと、同じ1年でもその身体で憶えたものの質と量に大きな差が出るのはごく当たり前のことだと思う。
来る日も来る日も、単純で同じことをただひたすらに徹底して正確にすばやく行うこと。
目指すことがいつ出来るようになるかは、自分にも誰にもわからない。
判るのは、出来ないかぎりここから先の上達は無い、ということだけ。
だから、出来るようになるまでただひたすら繰り返す。
いつかなれるかもしれない目指すもののために、来る日も来る日も同じことを、ああでもないこうでもないとくりかえしていると、いつの日かブレずに出来るようになっているというのが身体で判る。
そうして皆が辞めてしまう中で、いつの日か出来るようになり、初めて次へ進める。そして同じことを繰り返し続け、次に進む。
その感覚を共有している人間との話というのは、とにかく楽しいし、専門分野が違っていても、多くを話さなくても本質的にやっていることは同じなので、よくわかる。
誰もが産まれたばかりのゼロからスタートしているのだから、どこまでやるのかやらかないのかも、全ては本人次第というより他は無い。
だからこそ、「あなただから出来るんですよ」という言葉は、その道を自分の身を削って通ったことがないのであれば、決して言ってはならないのだと思う。
‘ブーランジェリー フール・ドゥ・アッシュ‘http://www.h-03.com/
‘イル・プルー・シュル・ラ・セ-ヌ‘http://www.ilpleut.co.jp/