ロレッタブログ

- 2009.05.09

今夜も‘にゃん‘はくつろいでいます。
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くまのアントニオたちが、じーっと見てるみたいで、おもしろいです。
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そんな猫好きのあなたに、とてもお勧めの一冊。
1982年に作品社から発刊された‘日本の名随筆‘猫‘。
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テーマ別に選ばれた編者による、明治以降の著名人による珠玉の随筆集
1文字シリーズは、宇野千代編の‘花‘~野間宏編‘命‘まで、
2文字シリーズは中野孝次編‘囲碁‘~田川健三編‘聖書‘までの、それぞれ全100巻です。
ずらりと並んだ背表紙から、気にいったタイトルのものを順番に愛読したものです。
「猫」の作家陣は、内田百閒、伊丹十三、柳田國男、谷崎潤一郎、加藤楸邨などなど。
個人的には、
「たしか寺田寅彦の随筆に、猫のしっぽのことを書いたものがあって、猫にああ云うしっぽがあるのは何の用をなすのか分からない、全くあれは無用の長物のように見える、人間の体にあんな邪魔物が附いていないのは仕合せだ、と云うようなことが書いているのを読んだことがあるが、私はそれと反対で、自分にもああ云う便利なものがあったならば、と思うことがしばしばである。」という谷崎と、
かつて「猫と女は呼ばないときにやってくる。」というメリメの名言を教えてくれた寺山修司がお気に入りです。
‘私の犯罪百科辞典‘ 寺山修司
猫・・・・・多毛症の瞑想家
猫・・・・・食えざる食肉類
猫・・・・・灰に棲む老嬢
猫・・・・・殺人事件の脇役
猫・・・・・財産のない快楽主義者
猫・・・・・唯一の政治的家畜
猫・・・・・長靴をはかないときは子供の敵
猫・・・・・真夜中のヴァイオリン弾き
猫・・・・・舌の好事師
軽妙洒脱で痛快、唯一無二の才能による文章に触れる時間は、何ものにも代えがたい貴重な愉しみ。