ロレッタブログ

正しいスキンケア事典/ファンデーションの種類と界面活性剤 - 2010.10.29

肌が健やかな状態であれば、ファンデーションの種類を特別に選ぶことはないのですが、この点もひじょうにひっかかった記述でした。

何かと悪者にされがちな界面活性剤ですが、化学と科学と皮膚に関する知識が乏しい方は特に気にされているように思えます。
成分が安全かどうか、その問題は、オーガニック、自然、天然、化学、合成、動物由来、植物由来を問わず、全てにおいて同等に関わるものであり、「○○だから安全」「○○は悪い」「○○は良い」ということは決して無いのです。

また、物事を多面的・多角的にとらえることが出来る方であれば、化粧品や成分だけではなく何事においてもこれだけ世のなかに色々なものがあるのだから「物事は一概には言えない」とお考えになるのではないでしょうか。
そして、それは正しいのです。

「ミネラルファンデーション」とうたう製品も多く登場していますが、「ミネラルオイル」を日本語に訳して「鉱物油」とすると、いまだに怖がる方も多いです。
日本語か英語かというだけで、「ものは同じ」です。

鉱物は石油が原料、つまり原油がイメージされ、ミネラルはビタミン・ミネラルと並んで称されるほど「肌にも健康にも良いもの」とイメージされるのでしょう。
ロレッタでは、このような質問を受ける際には、「あえて肌のために新たに‘ミネラルファンデーション‘と呼ばれるものを買う必要はありません。なぜならば、今まであなたがつかってきたファンデーションも、ミネラルファンデーションなのですから。どうぞそのまま安心してお使いください。」とお伝えしていますよね。
言葉のひびき1つで、これだけ事実を錯誤し、惑わされ、製品の選択肢を自ら狭めてしまうのは、非常にもったいないことです。
また、以前にも述べましたが「人間は元々は猿」なので、物事や加減が雑になって当たりまえだと思うのです。
ロレッタのメイクセミナーで、「ファンデーションって、こんなに軽い力で塗っていいんですね!わたし、もっとぐいぐい引っ張る位に伸ばしていました。」と驚かれる女性は、参加者ほぼ全員です。
つまり、ファンデーションの基材や成分のせいではなく、本来丈夫に作られている肌が荒れる‘大きな要因‘として、毎朝のスキンケア、化粧、日中・夕方の化粧直し、夜のスキンケア、と、1日の間に幾度となく顔を触る、その力加減が強すぎる、というのは多々あります。

共著書の正しい読み方(その3)
( 解説 )
この本が売れているので、やはり読んだ方からの質問が私の友人の化粧品専門店にかなりいらっしゃるということで、私が講師をしている勉強会で質問に答えたり、一緒に考えたりすることにしています。
今回取り上げる課題はファンデーションについてです。
共著者の吉木先生の主張は、リキッドファンデーションよりパウダーファンデーションの方が安全性が高いということです。(72ページ、118ページ)

この見解は、推定ですが皮膚科を訪れるファンデーションで皮膚トラブルを起こした患者さんのうち、リキッドファンデーションが多いことからではないかと思います。
過去、私が研究所時代に経験した医師や様々なクレーム情報からもそのようなことがありました。
しかし、現在では、かなり安全性が高いリキッドファンデーションが商品化されていますし、その点ではパウダーファンデーションと大きな差はないはずです。
確かに、水にファンデーションの粉体を分散させたり、乳化物も分散させていますので、リキッドファンデーションに界面活性剤を使うことは事実です。

しかし、パウダーファンデーションにも様々な添加成分を均一に分散させる為に界面活性剤を使いますが、いずれも、肌には安全性を十分考慮していますので、安全性は高くつくられているはずです。
このような最新事情を知れば見解も変わってくるものと思っています。
そして118ページの乾く肌に対しては、私なら、スキンケアで十分に油分を補給していれば、仕上がりの好みでパウダータイプ、リキッドタイプ、或いはクリームタイプ等と、ファンデーションは仕上がり中心で選んで良いと奨めます。
勉強会で話題になったのは、商品自体の問題ではなく、使用方法にも原因があるのではないかといいうことです。
つまり、ファンデーションの付け方や、クレンジングの仕方です。

化粧品専門店でよくあることとして、ファンデーションで肌トラブルを起こしたお客様の話を聞くと、付け方や落とし方に肌負担の強い方法をとられている方が意外と多く、肌に負担のない方法を指導して肌トラブルを解消した事例も多いということでした。
あと、リキッドファンデーションは処方の組み方で安全性の高さが決まります。
安全性研究に力を入れている会社の商品は確かに安全性が高いと思われますが、全ての商品を私はチェックしていませんので、中には安全性に問題のある商品がある可能性があります。
だから正確には、信頼のおけるメーカーの商品を使うことが良いと思います。
メーカーも市場に信頼度を高める為の努力は必要ですし、誤解を与えるような訴求は控えるべきだと私は思っています。
それゆえに、「ミネラルファンデーション=安全」という訴求には、大いに問題ありと私は考えています。