ロレッタブログ

質問攻めの再会 - 2010.12.08

ロレッタのブログや女性誌の美容ページでもはやおなじみ(?)の岡部さんのところに久々に遊びに行ってきました。
今回のかんばらさんは、たくさん質問があるのです。

・トレチノインとハイドロキノンでシミがとれるのは、強力な酸でメラノサイトが存在する基底層まで炎症を引き起こすためにかさぶたのように取れてしまうため、という解釈で合ってる?
・フォトフェイシャルという熱で炎症・変性を起こすか、トレチノイン等薬剤を塗布して炎症・変性を起こすか、ハリ・弾力の回復のための方法が違うというだけのことで、いずせにせよクロスコラーゲンで肉芽であることには変わりがないということだよね。
・オバジニューダームのようなトレチノインの継続使用って、どう思う?
・ディスポートで皮脂抑制が出来るメカニズムとは?
・フェイスリフトで引き上げるという筋膜のSMAS(スマス)って、どこのこと?広頚筋まで含むらしいのだけど、他はどこのことか知ってる?
・お客様がお通いの美容室が作ったシャンプーが「水ではなくダマスクローズのフローラルウォーターで作っているために、原価ぎりぎりなんですよ」との主張でこの価格を付けているのだけど、どう考えてもそんなに原価するわけないと思う。パッケージ代もかかってないし。正直この主張は無いと思うのだど、どう思う?
・アトピー肌には老人性色素斑が少ないように見えるのはなぜか。そもそも炎症後色素沈着を起こす頻度は高い肌のはずなので、元々の肌色が濃いために目立ちにくいだけなのだろうか?ただしアトピーの方ばかりを何千人も見てきているわけではないので、私のうけた印象ですが。
・メラニンは角質層に存在しないものの日焼け後に向けた皮が黒いということのは、皮膚のどの層から剥けているのだろうか?
・全顔の皮膚に毛細血管が浮いている人がいるが、これまでの美容歴から考えられる原因は過度の熱・電流などの刺激だろうか?
・・・などなど。

「よく勉強してるね」とお褒めの言葉を有難く頂きました~でも勉強しても判らないから質問しにきたんですよ。
でも、これって不思議に思わないものなのかな?なんでこうなるんだろう?これってどういうこと?って、気にならないのかな?私にとっては、逆に疑問が沸かないことが不思議でならないのです。
結局、いくつかはっきりしないものもあったので、「じゃあこれは宿題ね!大人になったら宿題なんて出してくれる人いないでしょ?」と勝手に宿題を出してきました。
しかし、一度気になったらとことん調べるかんばらさんは自力で見つけましたよ。
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・SMAS
表在性筋膜群。顔面の皮下の脂肪層に存在し、側頭部から頚部まで連続する表情筋群の筋膜群。
1976年Mitzらが浅側頭筋膜(superficial temporal fascia 別名 temporoparietal fascia)、前頭筋(額に皺をよせる筋肉)から広頚筋(首の前面に広がる薄い膜のような筋肉)まで連続している筋膜が存在していることを発見し、それを表在性筋膜群(superficial musclo-aponeurotic system)と呼んだのが始まりで、われわれ美容外科医の間では“SMAS(スマス)”と略語で表現されています。フェイスリフトの際にこのSMASを引き上げに利用するようになってから、フェイスリフトの若返り効果は飛躍的に向上しました。
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なるほどなるほど!!激しく納得!!!!
しかし、かんばらさんも質問するばかりではなくて、貢献することだってあるんですよ。
「PHAのPは‘ポリ‘のことで、ポリ・ヒドロキシ・アシッド」とかはちゃんと答えてきました。(笑笑)
その後は、ロレッタのブログをちゃんと読んでくれているようで、「卵と牛乳はだめだけど鶏は大丈夫なんだったよね」と、美味しい日本酒と焼き鳥をいただきました。
どうもありがとうございます~ごちそうさまでした!
人間の身体は、判っていることより判らないことのほうがまだまだ多い。
だからこそ、こうして勉強して経験を積んで「知るほどに知らないことや疑問がさらに沸いてくる」というのが、さらに学ぶ励みになるし、仕事ももっと楽しくなります。
岡部さんはフェイスリフトの手術も見学したことがあるそうなので、次回はその話を詳しく聞かせてもらおう。(ということで、よろしくね)