ロレッタブログ

最近の読了一覧 - 2011.07.04

怒涛の読書の日々。そしてまだまだ続く。
印象に残った文章を以下に抜粋。
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‘美人とは何か‘と共に読むなら、特にこちらがお薦め。

『先日、NHK教育の「しゃべり場」という番組で、高校生から次のような疑問を呈された。
「整形が簡単にできるようになったら、皆が顔を変えることに夢中になって、顔の美醜が今以上に問題となり、内面の価値がますます置き去りにされていくような危機感を感じるのだが」
それに答えようとした途端に時間切れとなってしまったので、今ここに私の答えを発表しよう。
「顔を簡単に変えられるようになればこそ、顔の美醜の価値は低くなるであろう。なぜなら醜い顔に生まれついても、整形すれば解決するさ、と思えるようになるからだ。今後、顔の美醜に振り回される人は減少し、むしろ簡単に変えられない内面の問題のほうが大きな課題となって人々の前に立ちふさがるであろう。それはむしろ歓迎すべきことではないのか?』
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桜沢エリカと内田春菊の夫婦の在り方が特に面白かった。

うさぎさんの小説を読んだのは初めてでした。

深夜番組の単行本化。(メンツ濃すぎ)



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摂食障害(←最近は海外では男性の摂食障害もあるそうですが)や美容整形依存の女性たちが登場します。
この仕事をしていると、考えることを避けてはいられない2つのテーマ。

『シンデレラの魔法は、いつの間にか、本来の目的から大きく逸脱した方向へと暴走し始めていた。綺麗になりたい、男の子にモテたい、というのが最初の目的だったはずなのに、美しさもモテも置き去りにして、ひたすら過剰な顔面改造へと向かっていく。やってもやっても、気に入らない。気にらないから、もっとやる。そして、ますます取り返しのつかない顔になっていく。美と幸福の魔法は、いつの間にか、グロテスクな呪いと化していた。』
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松本侑子さんと対談というのは一見意外なのですが、そういえばこの組み合わせもありですね。
宮台真司と中村うさぎの対談は特に秀逸!!
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『拒食症の人は、食事だけでなく色々なものから逃れたいというか、感情や人間関係も含めて全てを拒否したいという人が多いような気がします。過食症の人は、外へ外へと向かっていくというか、意外と社交的だったりするんです。だから、自分が病気だなんて思ってもみない。だから、拒食症の人はひきこもる人が多くて、「肥ってないよ」という他人の意見も聞かなくなる。摂食障害者は、他人の評価をすごく気にするが、気付いたら他人の評価よりも自己評価でがんじがらめになっている。』
『うつの人には温かい無関心。
「大丈夫?」とかやたらと関心を持たれちゃうのは最高に嫌がるが、かといって完全に無視されて全く関心を持たれないのも嫌。』
「高すぎるプライドと低すぎる自己信頼の乖離」
宮台 : 今の若い子たちの自己不全感て、やはり家族の影響が大きいとは思う。親子の関係って、実は昔のほうが希薄だったんですよ。親以外に兄弟や親せきなど、周りには多くの人がいて、その関係の中で承認を得て生きてこられた。でも今は、周りに親以外のそういう人が少ないから、親と子が向き合っちゃってる。
そんな状態だから、たとえ親といえども一人の人間が別の人間に包括的な承認を与えるのは難しいんですよ。
中村 : そうですね。親だってそこまでやるのは大変だよ。
宮台 : 今の親だって、昔の親ととりたてて違ったふるまいをしているわけではなく、場合によってはむしろより密接にかかわっているのに、子どもからすると承認不足、ちゃんと自分が受け入れられていない感覚がある。
それは家族の在り方が変わってきたためで、そのために親に対する期待が過度に高まり、だから逆に期待外れも大きい。
そこでお母さんにもっと自分を見てほしいとか、なんでお父さんは自分に関心を持ってくれないんだろ、親が自分を見捨てるんじゃないか、自分はひとりぼっちになってしまうんじゃないか、と思い込んでしまう子ってすごく多いんです。そのためトラウマも起きやすい。
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