ロレッタブログ

山口洋子さんの本をたくさん - 2011.12.21

中村うさぎさんのトークショーを終えて、出版されている本もほぼすべて読了したので、今月はあらたに興味を持った山口洋子さんの著書を一気読みしています。どうやらかんばらさんの知人が親戚っぽい?



いい旅とはロマンと郷愁と自由とがミックスされてこそ、はじめて満点と言えるのであろう。
せかせかと事務的なスケジュールを強いられる旅行に旅ごころはない。それは単なる躰の移動でしかないからだ。心も一緒に動いてはじめて旅。
にしても昨今は安直な「移動」のみが花ざかりである。
「なぜその人を好きになるか/集英社文庫 収録「帰る」

デヴィさんというとイコール思い浮かぶのはゴージャスな衣装。彼女ほど体当たりでお洒落をしている人もまたとない。
以前対談をした折りに聞いたのだが、デヴィさんは仮縫いというといちばん自分の美しくみえる姿をぴしゃり鏡前で決め、そのポーズのままで仮縫いをなさる。両腕もあんまり動かさなきゃ、背も肩もほぼ固まったまんま。そうすると煙草の火とか点けられないですねと間抜けな質問を私はした。
夫人は婉然と打ち笑い、そんなこと殿方がやって下さいます、おおかたのことは私などがうごかなくてもおほほほと。仮縫いはなるべく服が楽に着られるようにするためと信じこんでいた身には瞠目の一言で、なるほど女性の服というのはこういう着方もあったのだと開眼。
その美に対する執念のまさに凄まじい真剣勝負の生命がけ、拘束衣のごときドレスを身に纏い、世にも愉しげに談笑して艶やかな微笑をふりまいていらっしゃるのをひたすら感嘆しながら会場の一隅で眺めていた。
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この他にも山口さんの本は沢山読んだのですが、その中から印象的だったところをまた記しますね。