ロレッタブログ

接待の一流 - 2012.03.03

とにかく笑えたので、ご紹介。男性も、女性も、とても楽しい一冊だと思います。
接待の一流 おもてなしは技術です / 田崎真也 / 光文社新書
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酔っ払って盛り上げるのが接待だと、勘違いしていませんか?
・「いい席を頼むよ」
・「この店、僕も初めてなので」
・「なんでこんな店を予約したんだ!」
・「あの店にいけば安心して任せられる」
・「この料理でいい」
・「こちらの方、ワインに詳しいので選んでもらって」
接待の席で、こんな発言をしたことのある人は、立派な「もてなしベタ」!
世界一ソムリエが明かす、もてなし上手になるための心遣いと技の数々。
■エスコートはだれにでもできること
僕がプライベートのときに、女性のためにイスを引いたり、料理をとり分けたりすると、よくほかの男性から「もてるでしょうね」といわれます。しかし、僕にとってそれは、職業的に培った「習慣的な気遣い」にすぎません。作業レベルの気遣いですので、だれでも習得可能です。ですから、ぜひ習得すべきだと、僕は思います。
(本文より)
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「本書の執筆にあたり、多くの女性に協力いただき、『男のもてなし』について取材しました。彼女たちが、予想以上に、シビアかつ冷静に男性のふるまいを観察していたのには、正直いって驚きました。男性には耳の痛い、きつ~い言葉の数々ですが、そのまま包み隠さず、掲載しました。なせなら、これが女性達の本音だからです。」ということで、女性の声はこんなふうでした。
とにかく「あ~あ」と思うこと間違いないので、ぜひご一読を。
■ファミレス育ち
「イタリアンに行ったときに、メニューをみるなり、『あ、僕はこのパスタでいいや。君は?』といわれ、『え?』という感じだった。前菜を食べて、パスタを食べて、メインを食べてという店なのに、注文したのはパスタ1品だけ。メインはなしです。すごく悲しかった。彼、『ファミレス育ち』の人だったのかもしれない」
■勝手に注文しないで
「お酒が飲めない男性を付き合ったことがあります。私が結構飲めるのを知っているのに、デートのときに、彼が勝手に全部料理をオーダーして、最後に『ウーロン茶二つ!』って。そういわれたときは、本当に頭にきた。その瞬間、絶対にこの人とは別れようと思いました。彼に一緒に飲むことを強要しないから、せめて自由にさせてほしかった」
■鬱陶しい仕事自慢
「デートしているのに、『俺の仕事のヒストリー』だけを語る男。俺様はこんなすごいことをやってきたみたいな自慢をする人。相手のことを聞こうという気はまったくなく、自分の話ばかり。そういう人って、美味しいご飯のこともわからないし、お酒のこともわからない。仕事しか知らないから、仕事の話をするしかないんだと思う」
■なぜおにぎりしか頼まない?
「うちのクラブのお客様に何度も食事を誘われて、断り続けるのも悪いので一緒に食事をすることになりました。私の知っている和食の店にお連れしたのですが、そのお客様はメニューをみるなり、おにぎり二個を注文したのです。お腹がすいているんだなと思い、先におにぎりをだしてもらった。でも、そのあとに何も頼もうとしない。『君、頼みなさい』ともいわないんです。予約までしてでかけたのに・・・。店に対して非常に恥ずかしいから、ここは自分で払いますといって、がんがん注文して自分で食べました。六〇すぎの一見、紳士なんですが、顔洗って出直してこい!と言いたかった。もちろん出直されても、二度と一緒に食事はしたくないですけど」
■ドレスコードを伝えてほしい
「どこに行くか知らされてなくて、いきなり超高級フレンチに連れて行かれたことがあります、私、Tシャツだけど、大丈夫なの?みたいな・・・・。まわりは素敵なワンピースなどでおしゃれをしているから、すごくイヤだった。内緒でびっくりさせてあげたいと思ったのかもしれないけど、どんな店なのかを教えてくれないと困る。こういう店に連れて行ってくれるとわかっていたら、こちらもお洒落をしていくのに・・・・。そんな状況なのに、相手は、こんなところに連れてきてやったぞって得意満面なの。まるで『プリティウーマン』のリチャード・ギア気取り。本人だけがその状況に酔っているだけ。こういう形の『サプライズ』は、女性は絶対に喜ばない。このデートでその人が大嫌いになった」
■ドレスコードを知らないなんて・・・「彼から高級フレンチに誘われたので、張り切ってお洒落をしていったのに、彼はノージャケットの、どうでもいい普通の格好で来てビックリ。この人、こういう店ではどうするのか知らないのかなと思った。店の人に『ジャケットをお貸ししましようか』といわれて、とても恥ずかしい思いをした。店を予約したのは自分なんだから、そのくらいのことは調べておいてって、いいたかったわ!」
**かんばら注**
高級ホテルや高級レストランでヨレヨレのTシャツ・デニムが許されるのは、ミック・ジャガーくらいかと。
■座る位置もわからない男
「フレンチで待ち合わせをしたとき、ちょっと遅れたら、彼が女性の座るところに座っていたんです。そのくらいのこと、知っていてほしい。女性の気持ちとしては、先に自分を通してくれたり、ドアを押さえてくれたりするだけで嬉しいので、日本の男の人は、もう少しレディス・ファーストの習慣を身につけてほしい」
**かんばら注**
いますよね~眺めのよい壁側(もしくは夜景の綺麗な店ならそれが一番よく見える席)にさっさと座る男性、とてもよく見かけますね。先日もフレンチでお店の人が椅子を「ここですよ」と先に引いてくれているのに、それにも気づかず座った男性がいました・・・後から来る女性のことを思って、こちらも思わずかなしい気持ちになりました。さらに「あの店がどうの」と蘊蓄を延々垂れているのですが、「その前に座る位置を学習しろよ」と心の中で呟きました。
■あまり食べないように牽制しないでほしい
「『君はやせているから、あまり食べないんだよね』と決めつけられたことがあり、腹が立ちました。本当はあれも食べたいし、これも頼みたいと思っていたんですけど・・・。自分で勝手に料理を決めないで、『君は何を食べたい?』と、嘘でもいいから聞いてほしい」
■女性にワインを選ばせないで!
「ワインの知識がなくても店の人に聞いてほしい。ワインの銘柄を知らなくても予算は決まっているだろうから、リストでこの辺のところと値段を指さしてソムリエと相談してほしいと思う。そういうノウハウがわかっていると、スマートに見えるのに・・・」
「フレンチで『好きなワインを頼んでいいよ』といわれて、ソムリエからワインリストを渡されました。相手の懐具合を考えなくてはいけないので、ちょっとやりづらいなと思ったんですけど、せっかくのデートだからと思っていいワインを頼んだら、『エーッ?』という反応。だったら選ばせないでよ!といいたかった」
「フレンチなのに、居酒屋さんみたいに『まあ、飲んで飲んで』という人は困ります。ソムリエがいるのに、勝手に注いじゃって、しかも、ちょっと減ったら、すぐにグラスになみなみ注いじゃう。こういう人は連れとして恥ずかしい」
■ネットの割引券を使わないでほしい
「ちょっとお洒落な居酒屋で、お会計のときにネットの割引券をだされて、しらけました。同僚たちとの飲み会だったらいいんだけれど、デートのときはもっとスマートにふるまってほしい」
■一円単位で割り勘なんて
「女心としては、デートでは、男性に気持ち多めにだしていただいたほうがいいなというのはあります。本当にきっちり、一円単位で割り勘にされると、『あーあ』と思う。そういうときに見えちゃうんですよ。ああ、このぐらいのレベルの男だなと。そうかと思うと、『いくらでいいよ』といかにも彼の方が多く支払ってくれている感じの言い方をしながら、計算してみると大して変わらない。たった数百円のことで、偉そうにいわれたくない」
■そのタイミングはないでしょう
「お会計は、さり気なくしてほしい。たとえば女性がお手洗いにいっているときとか。それで店の外にでたときに、こちらが『いくらでした?』といったら、『ああ、いいよ』という具合に。それなら『じゃあ、二軒目は私が』という感じになれて、それだけで素敵と思える。でも、テーブルで私がいるときにお金をだされると、ちょっとイヤですね。お勘定の支払いがスマートな人って、やはりすごく印象がいい」
■カッパ巻き男
「彼に、結構ちゃんとしたお寿司屋さんに連れていってもらいました。それはよかったんですが、『なんでも食べていいよ』といわれて、一応、気を使って赤身を頼んだら、彼は、いきなりカッパ巻きを注文。『これ、大好きだから』といって。その時点で、頭の中は真っ白になりました。すごくいたたまれなくなって、消えてなくなりたい感じ。『君は何を食べてもいいんだよ』と優しくいわれましたけど、『あなたがカッパ巻きを食べている横で、私はトロとか頼めないでしょ』といいたくなりました」
■なぜそんなに横柄にふるまうの?
「店の人に対してすごく横柄な人は最低。私にはよくしてくれたのに、店の人に対して、素直に『ありがとう』といえないような人。いったい何様?という感じの対応をしたときには、店の人にすごく申し訳ない気持ちになったし、恥ずかしくなった。私に親切にしてくれるのと同じように、店の人にもちゃんと親切にしてほしい」
■料理評論家気どりの男は勘弁してほしい
「異常に飲食業界に詳しい人がいて、その人に誘われて、食事にいったらすごい講釈つきで参りました。『ここのシェフはどこそこで修業して、去年フランスから帰ってきたばかりで』ともう止まらない。あなたの解説を聞くために来たわけではないと、思わずいいたくなった。もっと頭にきたのは、一口食べて、『ああ、これはちょっと塩が強いなあ』とか、私が食べる前にいうんですよ。食事が美味しくなくなっちゃった。次に誘われても、あの人とは絶対行かない」
■恥ずかしい知ったかぶり
「お寿司屋さんにいぅて、『ここ白ワイン置いてないの?』といった男がいる。『なんでないの?今トレンドだよ』と威張ったりして。ワインといえば、カッコいいと思っているのかしら。そのうえ『ワイン置いたほうがいいよ』なんてアドバイスしちゃって。おこがましいにも程がある。すごい知ったかぶりで本当にカッコ悪いと思った」
こういう「にわか食評論家」みたいな男性は、世のなかに結構たくさん生息しています。
僕もワインをサービスしていて、ずいぶんお目にかかりました。ワインをマニアックに好む男性の共通点の一つは、欠点を探すことに生き甲斐を感じているところといっていいでしょう。
同席した彼女の前で「評論」するのですが、ポジティブな表現ではなく、日本的な減点法で表現するパターンが、よく見られます。たとえばこんな感じです。
ワインをテイスティングしながら、「田崎さん、香り、こんなもん?」あるいは、「意外と軽いんじゃない?もう少しコクとか渋みがあってもいいんじゃない?」
自分でお金を払って、そのワインをゲストに飲んでもらうのに、こういう言い方をするのです。
こういう表現をすることでワイン通と見られたいし、ソムリエに意見できるほどワインを知っていると、ゲストにアピールしているわけです。
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えー、落ち込んだ男性がひじょうに多いと思われますが(笑)、あとがきに田崎さんからとても素敵な言葉がおくられていますので、ぜひそこまで読んでみてくださいね。