ロレッタブログ

桐島洋子さんの著作3冊 - 2012.11.20

久々のブログ更新です。
おかげさまでエクスビアンス‘秋の特別コフレ‘には沢山のご注文をいただきました。
みなさまどうもありがとうございます!
その他、3週連続の大阪出張もあり、駆け足の日々でした。
出張帰りの新幹線では、読書読書読書、です。
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そんな折、「ドット・コム・ラヴァーズ」の読者におすすめということで、手に取った一冊。
現代アメリカ社会にもそのまま当てはまりそうな、中流階層の空虚さがちょっと怖いかな・・・。
映画「アメリカン・ビューティ」「ケン・パーク」に通じるような気もします。

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桐島洋子さんといえば、「聡明な女は料理がうまい」がアノニマスタジオから復刊らしいですね。

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桐島洋子さんの著作は全て読んだわけではないのですが、それでも一番好きなのがこちら。
「雑誌記者をしながら、会社に内緒で生んだ渚(かれん)、ヨーロッパからの帰路、クリスマスに船上で産声をあげた澪(ノエル)、ヴェトナム従軍記者時代に妊った舵(ローリー)。三人の幼子を一人で背負いながらも、前向きに逞しく生きる母が、小さな相棒達に贈る“我が愛と冒険の記録”。著者の自伝的処女作品。 」

シングルマザーとして3人をもうけたいきさつや彼女の在り方に反感を持つ人もいるだろうけれど、そんなことを気にしていては表現活動なんてできません。
個人的には、こういう女性はとても好きです。
「名前に限らず、この親は身の程もわきまえずにとても欲張っているのです。あなた達への注文はきびしいですよ。凄く優秀な面白いつき合いがいのある人間になって貰うつもりです。
たまたま親子だというだけの理由で、詰まらない人間とつき合うのは嬉しくないでしょう。勿論それはお互い様だから、私も大いに頑張ります。
私は小さい子供が苦手だから、ちっとも遊んであげないけれど、決してあなた達に興味がないわけではないのです。早く育って下さい。そして一緒に遊びましょうよ。
この夏、ようやく一緒に泳げるようにはなってくれました。次は馬に乗れるようになりなさい。
そしてなによりも一緒に旅を愉しめるようになってほしい。今はまだ仕方がないから、時々シーワールドだのナントカ・マリーナだのナントカ・ランドだのというところへつき合ってあげてるけど、正直言って私はあの種の人工的娯楽施設なんて死にそうに退屈なのよ。大体あの群衆というのがやりきれない。あんな出来合いのお遊びに群がらなくったって、世界中にはもっともっと面白いことがいっぱいあるのだということを見せてあげたいのです。
あなた達が私の仲間に加われるようになるまでは、せいぜいまめに日記や手紙を書いて、私の旅を頒けてあげましょう。
ゾエの五回目の誕生祝いに、まずこの数年の旅の記録を集めたのがこの本です。
いずれ間もなく、また私はどこへやら消えると思います。でも必ず帰ってきます。帰るべき巣があってこその私の旅であり、私は本物の放浪者に生まれついてはいないようです。」