ロレッタブログ

毒婦 - 2013.02.04

弁護士のお客様と「ある意味、すごくわかりやすい事件でしたよね」「殺すまでいかなくっても、とは思うけどね」「やっぱり料理が作れるとか、そういうスペックは大事なんでしょうね」「オタクとか独居老人とか、自分に合致するニッチなマーケットを見極めてやってますよね」「援助交際は何かを産み落とすと思っていたけれど、それが木嶋佳苗だったのね、って上野千鶴子先生も言ってたそうですよ」と話題になったこの事件。
毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記 / 北原みのり / 朝日新聞出版
“ブス”をあざける男たち。佳苗は、そんな男たちを嘲笑うように利用した。「週刊朝日」で話題沸騰の著者、渾身のレポート

北原みのり オンナメディアブログより「05/07: 毒婦について。」
「そもそも私がこの人に興味を持ったのは、「今までみたことがないほど、まるで共感も同情も持てない女性犯罪者(本人は殺人は否定していますが詐欺は一部認めているのでこう記します)」だったからです。
罪を犯してしまった女性に対して、例えそれが我が子を殺す母であっても、夫を殺す妻であっても、「もし私がその立場だったら・・・」と共感を寄せられる部分は必ずある。でも、木嶋佳苗にはそれが、まるでなかったのです。彼女が男性に”援助してください””支援してください”と、”学生のふり”をして”お金を求めた”ことなどを知っていくにつれ、彼女の生い立ちや、彼女のセックスについて気になりました。どんな男性観をもち、それはどんな時代背景があったのだろうか。」
「木嶋佳苗が週刊朝日の私の傍聴記を読んでいたことを知ったのは、木嶋佳苗自身が手記を出した時でした。その手記には、恐らく私にしかわからない”木嶋佳苗からのアンサーソング”がありました。朝日新聞社の方から木嶋佳苗が私のことをあまりよく思っていないことを聞きました。どういう理由で、どういう言葉で「北原が嫌い」といったのかは分かりません。でも、木嶋佳苗の手記から、なんとなく分かるような気がしました。手記から私は、「私のことは私自身で分析し、私自身で書きますから」という決意を感じました。」
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著者である北原みのりさんのこれまでの活動や著作なども読んだうえでこの「毒婦」を読むかどうかで、かなり意見が割れるような気がします。
が、かんばらさんは、こういうことを歯に衣着せずはっきりという彼女に非常に好感を抱いています。
「女の人は自分磨きとかありましたけれど、男の人もやったらいいんですよね。「ありのままの自分を見て欲しい」とかダメですよ。髪の毛とかも綺麗にして、努力すべきですよ。不細工が尊敬されたいとか怖いですよね。ありのままの自分で女に認めて貰いたいとか無理な話だから、綺麗になる努力しろ。「電車男」なんて、神話ですから。俺がネットでかっこつけたこと書けばどこかでスゴイと思ってくれる女がいるとか、ない! ない!
フジTVデモはブス男のひがみ モテたければ韓流見習えとの声より抜粋」
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かんばらさんは常日頃から言っていますし、またここにも書いたことがありますが、基本的には「人間そもそも猿ですから自然のままに放っておけば雑になる。だってそのほうが楽だから。そのほうが本来あるべき自然な姿だから」と考えます。
「人間は所詮はパンツをはいた猿で、猿が自らパンツをはいた時点でもはや不自然極まりない動物」
と思っているので、そもそも女だろうが男だろうが、自然のまま放っておけば朝起きれば眼ヤニもついてりゃ口も臭いんです。誰だって。
寝癖もついてるし、皮脂で顔はテカついてるし、身体も洗わなきゃ汗もかいて臭くなります。
ほっときゃむだ毛も生えますし、眉もボーボーでえらく太くなるか、さもなきゃ描かないと麻呂眉です。
女はこんな「生まれたまま、ありのままの自分」が何も手をかけずに愛されるわけがないことを知っている。
また、私はそう感じる女をこの仕事を通じてつくづく知っています。
だからこそ、グルーミングし、ファッションに気を配り、スキンケアやメイクに心を砕き、笑顔がより綺麗になるよう歯並びを矯正し、歯をホワイトニングし、少しでも美しい立ち居振る舞いが出来るようにと鏡を見るわけですね。
今より少しでも「まし」な自分になることを放棄しない。
また、それを放棄した人は年齢に関わらず20代であってもそのメンタリティが‘おばさん‘なのだと思っています。
だから、男もお腹が無防備に出っぱらないような努力や、歯や髪ぐらいは綺麗にしましょうよ、本当に女性に自分の存在を気に留めてもらいたいのなら。つくづくそう思うんです。
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上野千鶴子さんもツイッターでは「判決日に合わせて某紙からコメントを依頼されたがデスクの判断で没とか。婚活詐欺なら昔からある。殺された女もいる。ジェンダーが逆転したのが新しいのか。それにしても家事・介護要員を求める男の欲求はわかりやすすぎ。
木嶋佳苗裁判。彼女は援交世代に属するという北原さんの指摘が鋭い。愛より先に性を覚え、性に対価が伴うことを早い時期に覚えた女たちの世代のその後だ。」と記していたそうですが、ご自身のブログにも⇒何が裁かれたのか?木嶋佳苗裁判 ちづこのブログNo.26
上野千鶴子「木嶋裁判を通じて見えてくるのは「婚活女」をコスプレした女に引っかかる男のあまりの「わかりやすさ」だ」

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と書いていたら、昨年末にこんなイベントがあったそうですよ!!!わーーーーー行きたかった!!!!!!
上野千鶴子×信田さよ子×北原みのりトークイベント[ビブリオテック文明講座]
「東電OLと木嶋佳苗のあいだに」
結婚詐欺をはたらき、3人の男を殺害したとして今年4月に死刑判決を受けた「平成の毒婦」木嶋佳苗。
東電のエリート社員でありながら、渋谷の街で性を売り、1997年に殺害された「東電OL」。
どちらも事件後に、「これは私だ!」と多くの女性が声をあげるという現象が起きた。
男たちとのセックスと渡される金を通して、ふたりは一体何を得ようとしていたのか?彼女たちに深く共感する女たちを生む、この社会とはなんなのか?
東電OL事件から15年、いまこそ女によって語られるべき「女の事件」を、社会学者の上野千鶴子、女性の悩みを多くカウンセリングしてきた信田さよ子氏、木嶋佳苗を追ったルポ『毒婦。』を執筆した北原みのり氏が徹底的に語る。