ロレッタブログ

問い合わせ?? - 2013.05.19

ご予約フォームから届いた問い合わせ。

内容は、同業者と思わしき人からの個人的に研修をしてもらえないか、というもの。
この業界の現状はといえば、手順だけ丸暗記。技術的に曖昧なまま、見よう見まねで現場に出て、どなたがいらしても「同じ手順」「同じ手技」「同じアドバイス」「同じ化粧品」でベルトコンベアー的ルーティンワーク。身体全体を使って動くことを習得していないから、過負荷がかかった手指には腱鞘炎、他には腰痛・肩こり・首の痛みまで出て、身体を壊してしまう。知識も曖昧なままなだから、お客様の質問にも答えられない。もしくは女性誌やTVで読み聞きしたことをそのまま伝えるだけの、伝言ゲーム的アドバイスに終始する。ひどいと、カルチャーセンターや数日間のスクール通いで習得した技術だけで独立開業。現場での下積み経験がないから、自分のサロンHPのプロフィール欄にはキャリアを記していない、とかだったり。

こんな状態ですから、質問者ご自身も「何がわからないかすらわからない状態」ではないかと、容易に察することができました。
実際にコンサルのオファーも多いかんばらさんは、当日のうちに返事を出しました。

それから今日で一週間・・・何のレスもありません。
留守電に一方的にメッセージをいれっぱなしの問い合わせも多々。かけ直してくるなり、メールなりでコンタクトをとり直すこともしないまま、一方的に残された問い合わせの留守電メッセージ・・・みなさん、一体どうしたいのでしょうか。(苦笑)もし本気で困っていたらそのくらい出来るでしょうから、とどのつまりは‘たいして困っていなかった‘、ということなのでしょう。
また仮にそうだとしても、自分が出した質問に返事が届き、またそれに対して答えていく、という最低限のコミュニケーションすらできないで、サービス業やホスピタリティ産業が、どうやってつとまるの???かんばらさんがこういう時に抱く感情は、憤りや、怒りといった負の感情ではなく、もはやまったく理解できないのでただひたすら「???」です。

「ねえ、ほんとにそれで大丈夫なの??」って。過去には、ロレッタの大切なお客様である菊うらのおかみのブログや、中野富士見町の名店ブーランジェリー・ルボワのシェフのブログにも、似たようなことが書いてありましたが・・・。「一事が万事」って、こういう事を言い表すのでしょうね。

一事が万事
【意味】一つのことを見れば、他のすべてのことが推測できるということ。
また、一つの小さなことに見られる傾向が、他のすべてのことに現れるということ。
故事ことわざ辞典より

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それから、電話でもたまにあるのが、「ロレッタで働きたい」、もしくは「弟子入りしたい」という依頼。一度もロレッタに来たことがないのに、私のフェイシャルやボディの施術を受けたことがないのに??あと、もし一度でもうちに来たことがあれば、「働きたい」とはいっても、ロレッタにはスタッフが何人もいられるほど広いスペースは無いことを察していただけるでしょうから、最初からそんなリクエストは出ないんじゃないか、とも思います。(笑)その昔、ゲランのサロンに勤務していた時のこと。
受付担当採用のための面接を終えた店長曰く、「面接にきた人間の、誰ひとりとしてゲランの化粧品を使ったことがなかった。
じゃあ知ってる製品は何かと聞けば、『丸い球のは知ってる』と。ゲランを代表するメテオリットの名も知らないで、どうしてゲランにくるのか。自分が使ったことも無い化粧品ブランドのサロンで、なぜ働きたいと思うのか。しかもエステに足を運んだこともないという。それでどうしてエステの受付を希望するのか。」
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美容の仕事って、華やかそうにみえるけれど。

「自分がきれいになるよりも、いらして下さるお客様がきれいになって、喜んで笑顔になって見送ることが嬉しくてしょうがない。」

そういう気持ちにあふれている人が携わるはずなんです。ところが実際は、「美容を仕事にしたかった理由は、自分がきれいになりたいからであって、働いてみたら他人をきれいにすることには全く興味が無かった」という人が多々・・・。お客様としていらして下さる世の中の女性たちは、そんなに甘くないですよ。学べど学べど、完璧なんてありえません。知識も、技術も、コミュニケーションも。また、自分の伝えたいそれらが100%完璧に寸分たがわず他人に届くことなんて、本当に無いのです。だからこそ、そのはるか遠くにある理想に向けて、来る日も来る日も尽力しつづけて、かんばらさんも15年やってきて「果たして前よりも少しは良くなることが出来ただろうか」、と自問自答する毎日です。人とのコミュニケーションをめんどくさがる人に、そもそもこの仕事は向かないです。もしこのブログを読んでいたら、「届いた返信に答える」くらいのことは身につけましょう、ね。