アレルゲンについて - 2014.06.27
お客様からの「自然派化粧品」についてのご質問をいただきました。
オーガニック化粧品がブームになっているせいか近年は「自然派」「無添加」という言葉をうたう製品が数多く登場しています。
「天然」「自然」という言葉は広く使われますが、日本では法的な確固たる定義はありません。実際に原材料を全て天然で製造すると、収穫年や収穫値によって随分内容の異なるものが出来るでしょうから、安定した効果や使用感が得られるかどうかは謎です。
当たり前のことではありますが、自然のものを自然のまま用いると変質や腐敗を起こしやすい。だからこそ、精製という過程が必要なのです。
スギや檜、うるしに毒キノコ、アレルギーや重篤な症状を引き起こす自然の成分は沢山あります。自分の汗にかぶれる人もいれば、日光にアレルギーを起こす人もいます。水にアレルギーを起こす人もいるのですから、天然なら安全、人工・合成なら危険とは一概には言えません。むしろアレルギーを持つ人には、人工的にアレルゲンを抜いたものを用いたほうが安心でしょう。
ちなみに「無添加」は、稀にアレルギーを起こす可能性のある成分として(現在の全成分表示が義務化がされる前まで)表示を義務づけられていた「旧指定表示成分」が添加されていない、という意味で「無添加」が使われることもあるようですが、たいした意味もなく「無添加」と記している品もあるようです。
天然・合成に限らず、アレルギーがないのであれば過剰に心配する必要はありません。もし特定の成分にアレルギーを起こすことが判っているのであれば、全成分表示を確認して該当成分が含まれていない製品を購入するとよいでしょう。
紫外線吸収剤も悪者にされやすいものの1つですが、散乱剤だけで真っ白に白浮きするのも困りものでしょう。紫外線吸収材にも種類は色々あるのですから、一概に恐れることはないのです。お化けのキャスパーみたいな顔ではなく自然な顔色に整えたいならば、むしろ吸収材を上手く処方することも必要かと。
カネボウの白斑問題があって以来、「化粧品は安全で副作用が無く長期間使用いただけるものです」とも言えなくなりました。しかしながら、アレルギーが無いにもかかわらず色々なものを恐れるてしまうと、逆に製品の選択肢を狭めてしまうだけでしょう。
賢い消費者になり、主体的に賢い選択ができるように。自分の身は自分で守る時代です。