ロレッタブログ

神楽坂いのしし村2014<猪をさばいて料理して食べる宴> - 2014.11.06

愛媛でハンティングされたばかりの小猪(お頭つき)を捌き食すイベントに参加してきました。
自分たちで捌いて、毛皮を剥ぎ、頭を外し、骨を外し、切り分けて焼き肉。内蔵はグリルや白味噌酒粕鍋、そしてコンソメ鍋。今年は食肉市場・芝浦と場に行ってみたいくらいのかんばらさんですから、相方を誘ってマイ包丁と酒を手に出かけましたよ。二人とも食は特に関心が高い分野なので食にまつわる映画やDVDをよく観るのです。

猪がいつ獲れるか分からないので、獲れて集合がかかったら来られる人が参加、という非常におおざっぱなイベント。参加費無料、カンパ¥1000からということで、最終的には約20名はいたでしょうか?この日の面々はつい先日ショパンをひいたばかりというピアニストから、着付けの先生、現代アートのアーティスト、ギャラリーオーナー、埼玉から自転車で1時間半もかけてきた人、顔ぶれがバラバラでおもしろすぎます。(笑)子供も3~4人くらいいたかな?「命を頂く」ということは結局は体験しないと判らないものだと思いますから、すばらしい教育ですよね。店頭に並ぶ肉や加工品も、そもそもは命ある生き物なのですから。

血肉の写真が苦手な方もいらっしゃると思うので、解体真っ最中の写真はここには載せないでおきますね。
フェイスブックのイベントページにアップされた写真からご紹介。

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ということで、これが20キロの子猪。
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解体開始!
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持参した私の愛刀グローバルでざくざく切りこむ相方と主催者・泉君。
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アパレル系デザイナーとエステティシャン(かんばら)と飲食サービス(相方)と医者は完全に職業病。それぞれの分野で皮や肉、骨を観察しまくりです。「皮を剥ぐっていうくらいだから本当に剥げるんだね」とか、「イノシシの大腰筋(ヒレ)ってこのぐらいの太さなんだ~」とか、見事に丸い球関節に自然の造形の美しさを感じいったり・・・そしてこれは毛根の根強さに感嘆する一コマ。イノシシの毛と毛根の頑丈さと真皮の分厚さに感動しましたよ!!
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キッチンで肉についた毛を洗うかんばらさん。さすが子猪!筋肉も筋膜も若さみなぎるプリプリさ!!
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リブ
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続々と盛られていく肉々しい肉たち。
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鍋の用意
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骨まできちんと食べきるためにコンソメ鍋
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そして頂きます!ジュージュー焼かれる猪。ソースはわさび醤油、バーベキューソース、塩。リンゴと野菜をすりおろしたフルーツソースにつけて柔らかくしたものもグリル。フルーツに含まれるたんぱく質分解酵素のおかげでとろける柔らかさでした~。
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相方持参の白は大好評!料理も洗い物もサクサク手際よく済ませる彼は女性陣にも人気でした。マメでよかったね。飲食店のサービスをする彼は「とりあえず食べたいものを注文して、食べきれなかったら残せばいいよ」という人にはきちんと注意します。命ある生き物や野菜はもちろん、農家さんやシェフなどいただくまでに関わって下さった方たちにもとても失礼なことだから、と。
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場所を提供してくださった神楽坂の現代美術画廊 eitoeiko では岡本光博展「マックロポップ」が絶賛開催中。岡本光博のアートを眺めながら(オーナーの解説がまた面白くて笑える)イノシシ肉と酒の宴。生命保険会社のロゴを刺繍したジャケット、その名も「ライフジャケット」が特に気に入りました。

かんばらさんの恩師(若いころね)が載っている立花隆「青春漂流」には
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精肉職人の森安常義も登場します。
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「青春漂流」をことあるごとに読み返し映画「ある精肉店のはなし」を観て、自分でイノシシを捌いてみて、つくづく思いましたね。もっと屠畜のことを知ったほうがいいんじゃないだろうか。「いただきます」は命を頂くこと。そして、獣の血を抜き、内臓を取り、命をいただけるように店頭に並ぶまでのリアルな過程はじゃあ自分の代わりに誰が引き受けているのか、ということですよね。
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