共感のレッスン 超情報化社会を生きる - 2018.01.24
植島先生の新刊!
ディスコミュニケーション以来の伊藤先生との共著。すばる連載時から読んでいたけれど、ディスコミュニケーションを再読してから新刊を読もうかな。私の手元にあるディスコミュニケーションはもうボロボロ。(笑)
私も大好きなジェイムズ・ティプトリー・ジュニアのSF小説「接続された女」がとりあげられて嬉しい!これ美醜に興味のある人にも超お勧め。短編集「愛はさだめ、さだめは死」に収録。
植島先生とは#MeToo運動に対してルモンドに出された意見書について先日お話をしたばかり。日本ではカトリーヌ・ドヌーブが率先して発言したみたいに報道されていて、カトリーヌ・ミエの名前に反応した人は少なかった様子。私は意見書に彼女の名を見つけて思わずうなっちゃいましたけどねえ。
私もエゴン・シーレやバルテュスの作品まで非難するのはちょっといきすぎじゃないかと思う。ジャン=クロード・ブリソーの映画なんてまず公開できなくなるでしょうね。意見書の抄訳はこちらの記事の中ほどから。→「MeToo」VS.「ドヌーブ」があぶりだした米仏の「深い乖離」
『共感のレッスン 超情報化社会を生きる』(集英社)
私たちは、かつてないほど「情報」に取り囲まれて生きている。LINEやTwitterなどのコミュニケーションアプリやSNSの使用が日常になり、人間関係の様相は劇的に変化した。さまざまな個人情報が、本人が自覚することなくネットを通じて集積され、それによって人が無意識のうちに規定される事態さえ生じている。
だが、私たちはそれで幸せになっているのだろうか。多くの情報に取り囲まれることで、かえって人が孤絶する事態が生じているのではないか……。
人類学や宗教学、生命科学などの知見を踏まえ、身体性に基づいた「共感の知」の必要性を説き、いま必要とされるコミュニケーションの本質を論じる刺激的な対談。
〈目次〉
はじめに 「とりあえず脳や心のことはパスしよう」
第1章 グローバル・ブレイン
第2章 自己免疫反応 自己と非自己はどう区別されるのか
第3章 なぜ人が感じていることが分かるのか
第4章 遺伝子なんか関係ない
第5章 「わたし」は身体の内にも外にも存在している
第6章 接続された女
第7章 恋人選びの心と性の未来
第8章 記憶は脳の外に存在する?
第9章 ホモ・デメンス(錯乱するヒト)
第10章 人はなぜ夢を見るのか
第11章 旅する身体
第12章 転生を生きる
あとがき