【外反母趾手術】オペ~入院~退院後の鎮痛剤 その1 - 2018.05.28
痛みについて沢山ご質問いただくので、今日から3回に分けて術後の痛みの経過を記しますね。こういうのを予め知っておくと、多少なりとも心構えができると思うので。ロレッタのお客様で医療従事者の方々は「両足やったんだ・・・」「そんなに鎮痛剤を投与してもまだ痛いって・・・」とドン引きしていましたが(笑)
私が痛みに備えたのは、ボトックス注射。
せっかく足がまっすぐになっても、痛みに耐えて咬筋が発達したり、眉間に縦ジワが刻まれたりするのはとっても嫌でした。眉間の縦ジワって、怒り・苦悶・悲しみの般若の顔に欠かせないシワなんですよ。つまり、第三者には決して好ましい印象を与えないんです。どうやったって好感度は低い。どちらかというと「怖い人」的な印象を与えてしまうんです。なので、私はあらかじめ表情筋にボトックス打ちこんでおいたんです。
それに、人間の感情って身体の動作によって決定されるから、最初から苦悶の表情ができないようにしておいたほうが、気分もいくらかマシだと思うんですよね。多くの人は、感情や思考が先で、身体があとから反応していると思いこみやすいんですが、実は身体の反応のほうが先なんですよ。
看護師さんには「わたし、10年看護師やってるけど(ボトックス打ち込んでくる)そんな患者さん初めて見たー」と言われましたが。(笑)
■5/2(水)AM11 オペ。
全身麻酔と硬膜外麻酔(無痛分娩にも用いる麻酔)を併用。眠らされる間際まで「起きて見てみたかった。ほんとうは動画撮りたかった」「寝てやらない」とかぶつくさ言っていたら、麻酔科医に「あなたアグレッシブな人ねえ」と笑われました。結局は投与されたら瞬殺で寝ちゃうんですけどね。(笑)
「全身麻酔はマイケル・ジャクソンが亡くなったプロポフォールを使うのかな?」って予想していたのですが、やっぱりそうでした。ロレッタのお客様(麻酔科医)はマイケルが亡くなった時に「あれ(プロポフォール)は手術室にあるものであって、普段眠るために毎日使うもんじゃないよ!仮死状態になってるのと同じなんだから、マイケルは本当に死んじゃったんだろうね」ってお話してくださったのをおぼえていたのです。(笑)
幸い私は全身麻酔の副作用の吐き気は無く、ひたすら寝ていました。
■5/2(水)オペ当日夜~5/3(木)明け方
硬膜外からフェンタニルの点滴&ロキソニンを午後と夜に服用
麻酔が覚めてくると痛みが感じられるので、硬膜外から点滴から痛み止め(医療用麻薬)を自分で適宜プッシュして入れます。
点滴についているボタンを一度押すと、30分投与される仕組み。押してもごく微量しか出ないらしい。そりゃ、患者が自分で過剰投与して翌朝ベッドで死んでたっていうのはちょっとマズイですよね。(笑)
医療用麻薬なのだけど「幻覚はみなかったよ?」と看護師さんに聞くと「そこまでの濃度では入ってないと思う(笑)」らしい。(笑)その鎮痛効果はモルヒネの50─100倍強力なのだとか。LSDのような幻覚系でもなく、覚せい剤のようなアッパー系でもない、いわゆるダウナー系ドラッグってこんな感じなのねえ。
私の友人には難病の地中海熱のほかにもいろんな疾患を発症している子がいて、腕の骨の延長手術も受けているのです。彼女は「地中海熱の発作はモルヒネも効かない痛み」と言っていたので、フェンタニルも試し済みかな?などなど、色々考えを巡らすひとときでした。
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■鎮痛薬には何がある?
鎮痛薬には,アセトアミノフェン,非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs),オピオイド(麻薬性鎮痛薬),神経障害性疼痛緩和薬,その他の鎮痛・解熱薬などがあります.
鎮痛薬としては,オピオイドが最も強力であり,術後や外傷性疼痛,がん性疼痛などに使われます.
したがって,本連載が主に対象とする重症患者さんの鎮痛には,多くの場合,オピオイドが用いられます.
鎮痛薬の投与方法は持続静注(IV)が基本ですが,他に,術後や慢性痛に対して硬膜外投与も行われます.硬膜外投与とは,硬膜外腔に留置されたカテーテルを通じて鎮痛薬を投与する方法です.フェンタニルは即効性でモルヒネの50~100倍の鎮痛効果があります.また,モルヒネのような血管拡張作用が少なく,腎機能への影響も少ないため,集中治療領域でよく用いられます.
維持投与量は1~2μg/kg/時です(体重50kgの成人にフェンタニル原液100μg/2mLを投与する場合,0.5~1mL/時の範囲で投与)
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ところで。
日本で流行るドラッグがアッパー系が主流なのって、日本人は放っておくとどんどん落ちる鬱傾向の強い民族(セロトニン欠乏の民)だからなんじゃないかな?日本で大々的に摘発されたってニュースになるのはアッパー系の覚せい剤とかはよく聞くけど、ダウナー系のヘロインやコデインって、あんまり聞かないですよね?おそらくオフィシャルなドラッグとして酒と煙草がダウナー系の代用になっているのではないかと予想。だから欧米ほどニーズがないんじゃないかな?
他には、鬱屈の向かう方向性が日本人と欧米人とでは決定的に違うと思うんですよ。たとえばアメリカなんかは壁に落書きしたり街を破壊するような暴動を起こしたり、溜まった鬱屈をとにかく外に向かって発散する傾向が強いと思うんですよ。
一方日本は怒りが自分という内へ内へと向かうので鬱になる。鬱屈を外に発散する時があったとしても、それは強者に向かうではなく弱者(子供・女性・老人などのいわゆる弱い者いじめ)に向かうので、反乱とか暴動という感じとはまたちょっと違いますよね。
だいたい、大声で怒鳴ったり、いつもカリカリしてる人って、おそらく怒りをぶつけたい真の相手は他にいるわけですよ。でも、そこに直接不満をぶつけられない。自分の目先の利益を守ることに必死だったり、パワーバランスにビビリって何も言えなくなっているんでしょうね。こういう人達が根源的な自信の無さや不安感を抱えながら、それでも世間様の目を気にして社会生活に無理をしてでも適合しようとするから、アッパー系ドラッグのニーズが高いんじゃないかな。
続きは明日。