ロレッタブログ

メイクアップの力 - 2019.03.05

1920年代~1950年代のハリウッドは、女優も男優もまさにスターとして絶世の輝きを放っていた時代。今から100年近くさかのぼれば、スキンケアにしろメイクアップにしろ、そのクオリティは現代よりもはるかに粗悪で使いづらいものだったはず。なのにモノクロのポートレートの美しさといったらまさに芸術作品!

20年代は眉が限りなく細いアーチ形と陶器のようなマット肌が特徴。 唇も薄めに描く当時のスタイルは現代とは真逆。 写真はキャロル・ロンバート。 グロリア・スワンソン、 『或る夜の出来事』 のクローデット・コルベールとかも本当に可愛らしかったですよね。


神聖ガルボ帝国を築いたガルボ様。こういうヘアスタイルは、輪郭も目鼻立ちも肌もパーフェクトに整っていないとできません・・・!

50年代の絶世の美女といえばやっぱりリズでしょう!

『ヴァージニアウルフなんて怖くない』ではリチャードバートンと壮絶な罵り合いを一晩中繰り返していて、みているだけでもうぐったり・・・なうえにラストは世界の底が抜けた感で終わる恐ろしい作品です。ある意味ではホラー映画なのでもし見るなら体調の良い日にしたほうがいいですよ。

夫婦の偽善とブラックさが徹底的かつ露悪的に描かれているのだけれど、応酬するセリフが相当な品の無さなので、当時は大問題作だったというのも納得。当時32歳のリズは増量して白髪を足し、振る舞いも下品な20歳以上も年上の醜く太ったを演じたという。本作品でのリズは、ヴィヴィアン・リーの「欲望という名の電車」と並ぶ怪演。アカデミー主演女優賞受賞は当然ですね!

リズより美しい人なんていそうにないと思うのだけど、リズ自身は「私よりエヴァの方がずっときれいよ」とさらっと言ったのだとか。 エヴァ・ガードナーは 当時の女優にはめずらしかったエキゾチックな容貌で大人気でした。 この時代は眉尻を長く描いて、リップラインはアウトカーブに仕上げるのが特徴ですね。

今よりマスカラも口紅もファンデーションも全てが使いづらかったはずの時代のにこんなにも綺麗。道具と品質に恵まれている現代の私たちも見習ってちゃんとメイクしなきゃ!ですね。生命の活力がピークを迎える10代~20代を過ぎた大人の女性には、すべてをうっすら塗っただけの「勘違いナチュラルメイク」はむしろアラが目立つだけ。TPOに合わせて普段仕様のメイクから、フルメイクまでふり幅を大きく、決める時はばっちり決められてこそ大人、です。