ロレッタブログ

緩和ケア講習:デンマークの事例 - 2019.03.07

緩和ケア講習を希望される方が増えました。 「ご両親や祖父母のために 、いつかそのうち」と思っていたお客様が、ついにご家族が体調を崩されて急いで受けにいらっしゃるケースが多いです。高齢者や病床の方のケアは、健常者とは全く異なります。防災と同じく、事前に備えと心構えをして学んでおいた方が、いざとなった時の当人にとっても心強い支えになります。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせくださいね。

これから空前の高齢者社会を迎える日本。かも女性は99歳になっても約1割は生きていると言われるほと長寿です。 ロレッタでの緩和ケア講習は、福祉先進国である北欧の緩和ケアに基づいており、老若男女問わず、今後長くご活用いただける内容です。

今日のブログは、「世界一幸福な国」といわれるデンマークの 高齢者ケアのご紹介をしますね。

デンマークでは、「プライエム」という 日本の特別養護老人ホーム に相当するものが沢山建設された時期があるそうです。しかし現在では新規の建設がストップされており、代わりに増えたのが高齢者の自立生活支援型住宅「プライエボーリ」という施設です。

1988年、デンマークでは「プライエム」(老人介護施設)の新規開設を禁止した。その理由とは?

デンマークの元福祉大臣、アンデルセン氏は次のように述べている。

「プライエムの多くは孤立し、不毛で活気がなく、いる人たちの権威を失わせるようなミニ病院、いわば人生の最期を迎える前の待合室になっていた。プライエムに住む人々にとって、その主体としての生活はプライエムに引っ越した日を境に幕を閉じた。多くの人はこの状況を、施設のまた施設文化の避けられない結果と考えていた。」

→●日本と大きく違う高齢者福祉の三原則

<デンマークの高齢者福祉の三原則>

  • 1:生活の継続性・・・できる限り在宅でそれまでと変わらない暮らしができるよう配慮する。
  • 2:自己決定の原則・・・高齢者自身が生き方・暮らし方を自分で決定し、周囲はその選択を尊重する。
  • 3:残存能力の活用・・・・本人ができることまで手助けしてしまうのは能力の低下につながるから、やってはいけないという。


まとめれば、支援があれば在宅で生活ができる人まで施設に集め、受動的な立場に立たせた上で、一斉に過剰かつ画一的なサービスを提供するようなことは、すべきでないという内容だそうです。

また、日本では高齢者を「助け支える対象」と見る傾向が非常に強いが、デンマークでは「自立的に生きる主体」と位置付けているのだとか。日本人女性には特に性格的に他力本願で依存的な傾向が強い方が多いせいか、高齢になりそういう性質に拍車がかかると、かまってちゃんかキレるか拗ねるかになるため、周囲の方が本当に大変なようです。

もちろん、認知症やそのほかの精神疾患が重度のかたのケアは、訪問看護や家族だけでは担えないので、専用施設もあるのだそう。利用者の全ての個室には利用者の状態と希望に合わせたトレーニングマシンが設置されています。お金を払ってサービスして介護してもらおうなんて他力本願のメンタルの衰えなんて歓迎されもしないわけです。もとは全て税金なのだから、当たり前といえば当たり前。なんでも他人にしてもらう怠惰で依存的な生活と、使える機能を存分に発揮した主体的な生活と、どちらの余生が充実しているかは明白でしょう。

→●デンマークの高齢者ケアが示すもの