ロレッタブログ

ピラティスはしなる鞭のように体幹から四肢に力を伝える - 2019.05.28

現代人は、ほとんどコアを活用していません。身体がゆるんだ状態でなんとなく動かすようになっています。

したがって、エクササイズをはじめた段階では、最低限の動きを行うために必要な筋肉すら落ちた状態の身体でスタートされるかたが、割合でいうと99%ぐらいでしょうか。実は、エクササイズをはじめるためのスタートポジションすら保てないことも、決してめずらしくありません。そのぐらい、生き物としての身体の機能が衰えきっています。しかし、近代のテクノロジーは、身体をますます使わないでも済む方向に、急激な速度で発展しています。

そのため、人によっては「ピラティスを100回ぐらいやってようやくなんとなくわかるようになった」というぐらい、はじめの数年は「インストラクターに言われていることの意味が分からない」となりやすいです。おそらく、かなりの人が感じる「ピラティスアあるある」ですよね。(笑) さんざん仕事で身体の事を学んできている私でも、同じように感じたことが何度もあるので、お気持ちお察しします。(笑)

一昨年からエクササイズに週1でお通いいただいているY様も「毎日ウォーキングしていて、最近ようやく足の指を使って蹴りだすという意味が、なんとなく解るようになりました。『この親指で蹴る』のがわかるようになりました。わたしはこれまでも歩く時に蹴っていたつもりなんですが、全然蹴ってなかったです。蹴らずに足を返していただけだったことに、ようやく気がつきました。」とのこと。

40代後半のY様は、オギャアと生まれて、ハイハイから二足歩行になり、それ以降はおそらく毎日「歩く」という動作を、何十万回もくりかえしているはずなんです。しかし「本来の歩行動作における身体の使い方」の意味の、入り口のドアノブがつかめるようになるまで、これだけの時間がかかるのです!!

その他にも、こんなご感想が続々と届いています。

  • 「自分では姿勢よく立っていたつもりだったけど、全然ちゃんと立ててなかったことがわかってショックだった。もっと理解してよくなりたいです。」 I様(40代後半)
  • 「正しいフォームを調べてスクワットをしていたつもりが、全然違ってました。膝と股関節が痛くなった理由がわかりました。」 U様(40代後半)
  • 「ピラティスとヨガは似てると思っていたけど、全然違うんですね。グループクラスのピラティスは何度受けましたが、同じエクササイズでも全然意味が違う動きになってしまっていました。わたしは全然違う動きをしていたんですね。」U様(50代半ば)

どれも「あるある」ですから、どうぞご安心くださいね。

私自身も同じように試行錯誤しながら、理解を深化してきました。私を含めて、多くの人は生まれながらの身体的技能にめぐまれた天才や、幼少期から素晴らしい先生方に囲まれて徹底的に英才教育を施されたアスリートではないです。そして、加齢で身体も硬くなりがちです。さらに、厳しい野生を生き抜くために本能で自在に身体を動かせる野生動物と比べると、私たちはあまりにも頭脳優位になりすぎてしまっています。

だから、身体機能の目覚めには時間がかかって当然なのです。 さらに目覚めてからも、その動きと機能を老化という宿命に抗って向上させるのは、残された時間と怠ける自分との闘いです。短気は損気。何事も一発逆転なし。 ただし、その「自分のためにもうひと頑張り」ができるかどうかは、その人の自己価値意識次第です。

こういうことを70歳、80歳になってから初めて気づくか、40代という「人生の折り返し地点」で気づけるかの差は、とても大きいのではないかと思います。

早い段階で気づけば、1つでも2つでも多く身体の無駄な使い方の癖を修正できますよね。そうすると、立ち居振る舞いなどの身のこなしや、将来的な寝たきり予防はもちろんのこと、自分の意識で身体と自分が変わること実感できれば「こんなにありがたい物はない」と思えるでしょうし、「もっと自分を大事にしていこう」と心から思えるようになるのではないでしょうか。自ずと人生の充実度も大きく変わってくると思います。

セッション以外の時間の日常生活も、あらゆる動作を自主トレに進化してあげてくださいね。