ロレッタブログ

世間的な「勝ち札」が通用しない“多様性の街” - 2019.07.30

ママのインタビューがサイゾーに掲載されました。

→●「新宿二丁目」伏見憲明氏が語る実態――世間的な「勝ち札」が通用しない“多様性の街”

――ゲイバーは、ジェンダーに起因する疲れが生じない空間ということですか?
伏見  そう思います。というか、女同士って人間関係が大変じゃないですか。油断できないところがあるでしょ? じゃあ、対男性でいいかっていうと、それはそれで性的な記号としてのオンナ性を意識せざるを得ない場面も多い。いろいろ消去していった結果、ゲイが多い空間が一番楽じゃない?って(笑)。女性からすると「所詮オカマだろ?」だし、ゲイも「所詮オンナだろ?」って、お互いそこそこ馬鹿にし合っているがゆえの、均衡が保たれている気がしますね(笑)。差別ゆえの対等。


――絶妙なあんばいの人間関係ですね。

伏見 人間関係で一番難しいのは、実は“対等な関係”だと思うんです。上下関係やジェンダー規範に沿って行動しているほうが、案外楽なんですよね。それに比べて、対等性を維持することって思いのほか大変。女同士だと対等でいることに神経質にならざるを得ないし、対男性ならジェンダー的な気配りも求められる。だから、ある意味、“どうでもいい関係”が楽なんですよ。ゲイバーに来店した女性にとって、隣に座っているゲイは、どうでもいい関係でいられる相手。ゲイという記号性を媒介にすることで、難しい人間関係から解放されて楽になれる女性が多いのかなと思います。ただ、どうでもいいから、雑なコミュニケーションでOKっていうわけにもいかないところが難しいけど(笑)。

たしかに「勝ち札」や「女であること」にチヤホヤ感が少しでもないと不愉快に感じるタイプは、新宿二丁目には不向きでしょうね(笑)。勝ち札もどうでもいい扱いをされるし、女であることには何のプライオリティも置かれませんから。女であること、勝ち札を持ちあげてくれるところ、お金を使えば使った分だけ、高いボトルをいれたらいれただけチヤホヤしてくれるエリアは他にいくらでもあるので、そういうのを欲する人はそういうお店に行くほうがいいですよね。何を求めて酒場に集うかは人に寄って違うので。

私は2丁目が一番気楽に楽しめます。伏見ママのさすがの人徳というか、集まるお客様の面々も多様そのものだし、頭もキレキレ、素晴らしい才能と活躍ぶりの方が多いので会話も無限にひろがる。何もかも本当にママのおかげです。

曜日ママを勤めたいたるさんのこちらの記事もぜひ。興味のある方はぜひ合うお店をご自分で探してみてくださいね。