ロレッタブログ

どうにもならなくなる前に - 2019.09.08

親元でずっと暮らしていると、「子供には迷惑をかけたくない」と言いながらも高齢になった親は子供を介護要員とみなすようになりがちです。お客様を見ていると、9割9分の確率で介護はもれなくついてきます。親から独立していても、近場に住んでいる子供が息子と娘の両方いれば、親にしてみれば具合の悪いときに呼びつけやすいのはやっぱり娘なんですよね。

筋力低下による衰えが顕著になり始めた親の様子に、危機感を抱くお客さまが増加中です。「近い将来は要介護」「だったらやらされるのは私?」とじわじわと漂い始めた介護の気配に戸惑っている方は、親が要介護になる前に、親自身にぜひ体力づくり、トレーニング、エクササイズの日常化を促してください。100人いても99人はスクワットすら正しいフォームで継続してくれやしませんが(苦笑)、ダメもとでとことん促してみてください。要介護になってから困るのは、当事者である親、そして家族です。親の甘えのツケは、子供が、そして特に娘がかぶるのです。

みなさん体力や筋力作りは、どうにもならなくなるまで、言い訳に言い訳を重ねて逃げまわるのだけれど、どうにもならなくなってからでは、9割9分遅いです。

→●上野千鶴子氏「老後の同居は幸せな時間を奪う」

地域差と世代差はあっても、この10年で家族介護の優先順位は完全に替わりました。要介護者が自分の介護者として期待する順位は、「配偶者>娘>息子>嫁」の順になりました。

 では、配偶者、つまり夫婦間の介護は幸せなのかといえば、そうともいえません。妻が夫を介護している場合、ともに高齢者である“老老介護”が多い。しかも夫のほうは、妻以外の他人の介入を非常に嫌がります。

 したがって夫が重度の要介護になっても妻は外部の介護資源を利用せず、自宅に抱え込むケースが多い。夫は妻への依存性が高く、24時間侍ることを要求します。妻は外出もままならず、社会的に孤立しやすい。地域に介護資源があるのに、それを利用しにくい状況にあります。