ロレッタブログ

男性が好む美はシーンで変わる<続き> - 2019.11.02

昨日の続き。

非日常の美はディズニーランド系。日常を共にする妻やパートナーに求める美はどうでしょうか。ざっくりに2つに分けてみました。

1つは、非日常と同様に周囲を圧倒する美を求めるパターン。いわゆるトロフィーワイフですね。あくまでも他人にアピールできて、見栄張って、威張れてなんぼ。なので、人格や内面の充実みたいなものは優先順位は低めになります。女性が老いたら、他の若くてきれいなトロフィーに取りかえるパターンでしょうか。見せびらかす用途の美なので、自費診療系の美容医療など加工をわんさか施して、高価な装飾品やファッションもばっちり身に着けたほうがよいわけです。コツコツ継続する「誠実性に基づいた美」よりも、「パッと派手にわかりやすく変わるお金をかけたステイタスとしての美」が好まれる。

もう1つは、清潔感のある年齢なりに地に足がついた美を求めるパターン。家にいる女性は安心できる人が好まれます。日々の生活は、同じことの繰り返し。退屈に思えるけれど、実はそれが一番の幸福であり、平穏であり、安心だったりしあす。今年のように台風や浸水などの災害が続くと、平凡な日常のありがたさは身にしみますよね。そういう生活の場面では、女性に派手さや驚くような美はやっぱり求められません。家は巣です。ディズニーランド化しなくていいんです。いくら好きな世界観でも、毎日寝起きする家があれだとやっぱり落ち着かないでしょう(笑)。

だから、ヘアケア、スキンケア、デンタルケア、エクササイズのように「生まれ持った素材を育むケア習慣」をコツコツ続けられる女性、つまり堅実で誠実性の高い女性が好まれる。

後者を好む男性にしてみれば、前者のように際限なく美容やファッションに費やす女性との生活は「俺がいくら稼いでも湯水のように使われちゃたまらん」という気持ちにもなるわけです。年をとるだけで一律に給料があがる時代でもなく、終身雇用も危うい時代なので、まあその気持ちは理解できなくはないですよね(笑)。そういう意味では、気晴らしという非日常なら派手な若い女性、ともに生活する日常なら堅実で誠実な女性、となるのは、社会的かつ現実的な判断なのでしょうね。

これだけ読むと「わかりやすいけど、 なんだかなー」という感じもしないではないですが、もしこの男女を入れ替えたとしても、なにかしらこれに近い感じになるんじゃないかと私は思うんですよね。皆さんはどう思われますか?

話戻って。美容整形に限らず、美容医療はエイジングが気になるたびに美容点滴、キレーション、レーザー、メス、注射、糸、脂肪吸引。オーダーメイドのサプリを毎日摂取すればサプリ代だけで月額20万円越えなんてザラ。美容医療費だけで月40万とかになります。あっっッという間に総額1000万、2000万なんて超えてしまいます。顔だけではなく、更年期で膣が乾いて弾力が低下してきた人には膣レーザーもある(1回数十万円也)。男性を色んな意味で虜にして生き伸びたければ、そういうものも必要な場合もあるでしょう。美容医療は金額の末尾に00をいくら積んでもきりがないのです。しかも最近話題になりましたが、血液クレンジングみたいなものもある。100%インチキではなくても、患者がエビデンスベースで賢く検討する冷静さと能力(脳力)がなければ大変です。

それを反映して、後者の女性、つまり既婚者だったり一般職の女性は、バレない程度の整形にとどめます。本音では「もっときれいになりたい!若返りたい!」という欲望はあるけれど、実行しないのはなぜでか。その理由はこんな感じ。

  • 旦那さんにあちこち整形したのがバレてどん引きされたり、そういうことをしなさそうな(つまり安心できる)女を作られたり、万が一離婚を言い渡された日には生活の基盤を失う。
  • 整形したのが会社にバレて、職場にいづらくなって転職する羽目になるのが嫌。転職だって、今より条件が良いところが見つかる自信はない。そこが良い職場とは限らないし、リスキーな環境の変化があるほうがいや。

人間が一番おそれるものは所属の喪失。 つまり、整形欲よりも所属を失う恐怖のほうが上回るわけですね。したがって、目鼻立ちがより整い、印象がぐっと華やかにアップするような黄金比に整える系の整形は、やりたくでもできない、失うものを想像しただけて恐ろしくて手を出せない、というケースが多いです。

辛辣な事実になるけれど、女性は生活レベルを落とすことに不安や恐怖を感じる方がとても多いのです。けれども、自分の人生のかじ取りを自分でやる自由とひきかえにする責任あるポジションを自力で獲得して矢面に立って働きつづけるほどの自立心は無い方が多いもまた事実です。

わたしみたいに、美容の仕事で、独立独歩のフリーランス(有能は高給、低能は冷遇、無能はクビの世界)で、実家や男性の稼ぎにも一切頼らず、メスだろうが糸だろうがなんでもネタ化して生きられる人は、あんまり多くないと思います。整形をオープンにトライできる非日常系は、キャリア寿命が非常に短いのは昨日述べた通り。

非日常系であれ、日常系であれ、男性や会社に所属することで今の生活が成り立っている方が多いと思います。男性や社会ではシーンによって求められる美のタイプは変わることを理解して、美容と賢く上手につきあうと良いと思います。 最終的な選択は個人の自由ですが、 日常系が非日常系を目指す必要はないし、非日常系は加齢に焦ってやみくもに美容整形モンスターと化しても、後悔先に立たずですから。