ロレッタブログ

ハイドロキノンを使う前に知っておくべきこと Warning: 7 Facts You Need to Know Before Starting With Hydroquinone - 2020.01.31

ブログに記した、エンビロンの新製品発表会で、私がデス先生に投げかけた質問について。サロンでもこれに関する質問が多いので、改めて記しますね。

当日のセミナー参加者の皆様(サロンオーナーやエステティシャンたち)もご存知無い方が9割以上だったような印象です。というのも、私がこの質問を投げかけたら、会場中がざわついていたから。参加者には、ご自身が無防備にハイドロキノンを使用していた方がいたのかもしれません。

【エンビロン】新製品発表会

話戻って。アジア圏では、加齢に伴い「シミ」と「たるみ」が二大悩みになります。特に日本人の美意識では「白ければ白いほど美しい」的な傾向が強いため、ハイドロキノンは美容皮膚科ではフォトやレーザーを用いた治療後やシミ治療によく処方されますし、コスメにも配合されています。しかし、ただ使えばいいというものではなく、使い方が非常に難しい成分なのです。

ハイドロキノンは毒性物質です。その毒性によりメラノサイト(色素細胞)の働きが弱まることで、結果的にシミが薄くなるのです。しかしながら、毒物を皮膚に長期にわたり塗布した後の色素のリバウンドが問題化しており、そのために先進国で使用禁止成分になってきています。


そのリバウンドとは、ハイドロキノンを長期使用し、そのあとに使用を休むと、前よりもさらに大きく濃いシミが沢山出てしまう、というものです。
症状としては「組織褐変症」と言われています。

当サロンでもエンビロンではなく、他ブランドでハイドロキノン配合製品のご用意はありますが、使用にあたり設けた注意事項を守って、リバウンドリスクも理解した上でお使いいただくようにしています。

エンビロンの新製品(そしてモイスチャートーナー)に配合されているαアルブチン、一般的な化粧品に配合されているハイドロキノン、美容皮膚科で処方されるTHクリーム、サロンで取り扱っているハイドロキノンの違いをちゃんと理解して使用したほうが、ご自身の美容のためになると思います。ちゃんとした知識を得たいかたは、お気軽にぜひ私にご相談ください。

スキンケアはサイエンスです。即効性のある治療法や成分には、それなりにリスクが伴い。ハイリターンのためにハイリスクを負えるかどうかは、個人の価値観によります。あえて言うまでもない当たり前のことなのですが、忘れかけていたというかたは、これを機に、ぜひ今一度理解を深めていきましょう。

ご自身でもハイドロキノンについて少しでも理解を深めておきたいというかたは、ぜひ下記のサイトをご一読ください。

Warning: 7 Facts You Need to Know Before Starting With Hydroquinone

 

一般の方はまだこのような事実を知らない人が多いと思います。また、美容皮膚科でハイドロキノンを処方されたときにリスクの説明がなかったり、主治医は説明したはずでも患者側の理解が追いついていなかったりということもあると思います。使い終えてから「もしかしてあれがそうだったかも?」と思う人も、いるかもしれません。

だからこそ、私のようなエステティシャンという立場の人間が、お客様からコスメの使用歴や美容歴をふまえて正しいスキンケアの知識を得る一助になれたらいいなと思っています。

ちなみに、セミナー会場の参加者たちは美容のプロの方々ばかりのはずなので、本来であれば私のこの質問に対して反応があるとすれば「私もそれを質問したかったんです」となるはずです。しかし会場中がざわついていたということは、知識が無いということの証明ですよね・・・サロンを訪れるお客様へのアドバイスやスキンケアの指導は、果たして信頼できるレベルにあるのでしょうか。お客様の事を思うと。正直心配になるレベルです。

この業界、個人のレベルが様々でピンキリが過ぎるのは重々承知していますが、プロ向けのセミナーでこういう反応や現象があるたびに、私はやっぱりちょっと悲しくなります。エステ業界がもっと信用されるためにも、もっと個々に向上心を持ち、常に勉強して切磋琢磨していくのがプロといえるのではないでしょうか。そんな風に、いつも思います。