ロレッタブログ

メタボの免疫系は火だるま状態 - 2020.03.16

昨日の続き。

免疫力は高い低いのどちらに傾いても好ましいことはなくて、まず免疫力を落とさないこと、つまり健やかな状態の維持に努めることが大切です。

高齢者は免疫だけではなく全身の機能低下を起こしている人が多いので、風邪であれ誤嚥性であれ、肺炎で亡くなることはとても多いです。高齢の方が亡くなるのは、私の印象ですが1年の中では2月か10月が特に多い印象です。気候の急変などに対して、全身の機能が衰弱した身体はもう適応できなくなるのですよね。

コロナで重症化しやすいその他の例では、高血圧や糖尿病など慢性的な持病のある人がその対象になるといわれていますが、そもそも肥満、高血糖、高血圧、脂質代謝異常などを併せ持つメタボリックシンドロームは体中に警告サイレンが常に鳴り響いているような「慢性炎症状態のやけだるま」です。 全身の機能は常日頃からその炎症の火消しに常追われているのですから、「薬を飲んで糖の吸収を抑えればOK」という安易なレベルの対処では健康は取り戻せないのです。この状態の身体にウイルスが入ってきても、それと戦うために緊急出動できる消防車や水などの身体の余力はもう残っていません。だからメタボや肥満の人ほどコロナが重症化しやすく、命取りになるのです。

また炎症は老化を早めるだけではなく、 その炎症を招いた生活習慣を「薬があるからOK」というふうに甘くみていると、遅かれ早かれその火は燃え広がってしまいます。 コロナにかからなかったとしても、いずれ全身の機能は炎症で燃やし尽くされるので、本来の寿命よりも早期に命を失うことになりやすいです。もちろんそのQOLは命が絶えるよりもずっと前から低空飛行状態のままです。

そうしたコンディションで生きるのがご本人にとって「それでいい」と受容できているならよいのと思いますが、仕事柄沢山の方を定点観測しているとよくわかるのですが、慢性火事状態の方々はメンタルもかなり失調しています。心と体の両方がずっとくすぶっていて、常に不調で全然楽しそうでも幸せそうでもない。

じゃあ免疫系は向上すればするほどよいのか?というと、そうでもありません。自分の免疫が自分の組織を破壊するようになってしまう自己免疫疾患の多くは「難病」と言われており、治らないから難病なのです。多発性硬化症、炎症性腸疾患、線維筋痛症、多発性硬化症、 筋萎縮性側索硬化症(ALS) 、ギランバレー症候群、膠原病、脊髄炎などたくさんの難病がありますが、そのそもそもの最初の症状が一体いつ頃はじまったのかご本人ですら把握しきれないほど、無数の不調が全身に及び、広がっていっているケースが大変多いのです。スティッフパーソン症候群の中村うさぎさんしかり(余談ですが私にはうさぎさんの症状はどうも膠原病のような気もしていますが)。なぜこのような事態が起こるかというと、人体という一大組織における社長(脳)と副社長(脊髄)という神経系の中枢に損傷が及べば、人体のありとあらゆる組織の調和がとれなくなるからです。そして難病を患うと投薬や治療と併走して生きることになります。こうした難病の原因は、おそらく大きすぎるストレスが影響しているのではないかと言われています。

せっかく生きるなら、心身共に健やかな方がいいじゃないですか。それぞれがいつ死んでも悔いが無いぐらいに日々を生きることの方が本来は大事であって、そのための健康維持の努力や習慣化を疎かにして不安に怯えてうずくまっていると、免疫力はますます低下します。免疫に最もダメージを与えるのは孤独と不安です免疫が落ちたのなら、まずその落ちた原因をよく考えて、建設的に対処すべきでしょう。原因から逃げ続けたり、食事をないがしろにしたまま高価なサプリメントや、運動や睡眠を見直さずに怪しげなスピリチュアル系や代替療法にすがったり、わずか週1回の運動で「やった気」になっても、それは根源的な解決策にはなりません。ストレスが増え続け人々がバラバラになっていく一方の現代社会で、心の平安と気持ちのよい結びつきで繋がりあう人間関係を欲しながらもなんとなくその場限りの気晴らし(酒、ギャンブル、買い物、高脂肪高糖質食、スピリチュアルなどきりがない)で自分をなだめて、じっくりと考えることを後回しをしてきた人が多いのではないでしょうか。

もしこれらを意識的に探究し、一人ひとりが本当に渇望しているものは何かをきちんと見直す時期が世界規模で否応なく到来したと思えば、コロナは素晴らしいチャンスになると思います。いつものご自身のグズグズしているだらしない生活習慣や、適正に合わない仕事や、ぐずついた人間関係を見直す絶好で最大のチャンスの到来です。それぞれにしっかりと活かせることを願っています・・・!