ロレッタブログ

安静=衰弱です - 2020.08.07

体よりも頭脳を優位しがちですが、脳は体を動かすことで刺激され、また体は脳から指令を受けて動きます。つまり、脳と体のどちらか片方だけが優位というものではなく、どちらも大切なのです。そして、脳も体も、使わなければ使わないほど、衰えます。そしてどちらも、普段やっていないことはできません。

加齢と老化は別物で、老化の進行度合いは個人差はありますが、老化はゆるやかに進行させることはできても、停止するものでもなく、逆行するものでもなく、やはりそれは死に向かいます。生き物はいずれ死ぬから、生き物と呼ぶのです。

医療はデメリットとメリットを天秤にかけて、当人の人生においてメリットが上回ると判断したときに利用するものです。

近年ではアンチエイジング医療がまるで「若返り医療」のように受け止められがちですが、入院で体が若返ることもなければ、薬や治療で体が無傷なわけもなく、安静にすればするほど衰弱するし、2か月寝たきりなら2か月以上分の脳と体の機能が失われます。衰弱とは「生き物」として生きる力が衰えるということです。治療や入院や安静や投薬で、タイムマシンでワープしたように若々しい身体や脳に戻ることはまずないと考えたほうがよいです。

擦り傷であれ切り傷であれ骨折であれ捻挫であれ、怪我をすれば組織は硬くなったり不安定になります。手術で失った内臓の代わりに何か別の臓器がお腹の中で新たに出現することはありません。無ければ無いなりに生きることもできるとはいえ、やはり無いなりの状態で余生を過ごすことになります。そうした副作用や後遺症は、医療のメリットVSデメリットを天秤にかけたデメリットの現れであり、ダメージや後遺症が悪いのではなく、医療行為とはそういうものなのです。そしてそうした現象は、そもそも「当人の生き物としてガタが来ているところ」に現れやすい、と考えたほうが良いのではないかと思います。

いくら健康に気をつけていても若くて突然死なんていくらでもあるし、30年ぐらい生きていれば「そういう話はいくつか耳にしたことがある」という方は多いのではないでしょうか。

10代の10年も、40代の10年も、60代の10年も、同じ時間の経過ですが、老化の進行スピードはまったく別物です。まさかとは思いますが、このブログを読んで「自分は不死身」「一睡もしなくても平気」「50代だけど30代に間違われるぐらい若い」などと思っている人がいれば、統合失調症などの妄想の発現かもしれませんから、速やかにメンタルクリニックにかかることをお勧めします。

怠けることを好む人間の習性のおかげで、テクノロジーや技術は発展しましたが、体は自分で動かすしかありません。他人に厳しく自分に甘いのが、人間の愚かさです。そんな自分から逃げずに、自力本願で動いた人は、筋力も身体機能も向上に向かいます。人が衰弱したりボケたり死んだりするのなんて、もう本当に「あっという間」です。寝たきりになってから後悔しても、後悔先に立たずどころか、そんな後悔は全く何の役にも立ちません。

https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/20/072200023/072800001/?waad=WX5L92gn&n_cid=EJHGD0076