ロレッタブログ

50代以降のマスク荒れ - 2020.10.22

今年の夏を「マスクしてるから」と日焼け止めの塗り直しやお化粧直しを疎かにしていて、今秋から「頬や目元にシミが一気に出てきた」とおっしゃる50代以降のお客様が増えています。実はシミの黒化には、マスクも影響していますが、この年代ならではのホルモンバランスの乱れの影響も大きいのです。今日はこれについて記しますね。

紫外線はマスクを通過します。マスクをしたまま過ごせば、表情の僅かな動きも摩擦を引き起こすので、皮膚はどんどん薄くなります。薄くなった皮膚は、本来最も大切な「バリア機能」を失い、乾燥したり、赤みやひりつきも出ます。紫外線は壊れたバリアから皮膚の深部により届きやすくなるので、シミができやすく、濃くなります。

さらに、最も紫外線を受け止めやすい頬骨の高い部分には、ちょうどマスクの縁が当たります。塗ったはずの日焼け止めも摩擦で取れやすく、頬骨のアーチにマスクが当たり、摩擦で角質層はみるみる削られます。この部分の角質層は、薄く脆い目元の皮膚とあまり変わらないほど、薄いつくりなのにもかかわらず、ダメージをもたらす複数の刺激にさらされているのです。

これ加えて、更年期世代は女性ホルモン分泌が不安定になるため、メラニンの分泌や濃化が活発化します。「30代から肝斑があったけど、一気にひどくなった」という人が多いのは、このためです。HRTのようなホルモン治療薬で黒化が激しく進行している方も、とても多いです。

こうした肝斑と呼ばれるシミは閉経後に徐々に薄くなりますし、HRTなどの服用をやめれば軽減する場合が多いのですが、先に述べた紫外線や摩擦でできたシミや色素沈着は、これらとは別に残ってしまいます。摩擦刺激そのものが皮膚に色素沈着を引き起こすのは、習慣的に膝をつくと膝が真っ黒になることからも、理解できるのではないかと思います。

お肌の天然の保湿成分も、20代と50代で比較すると、その差は半分以下まで減少しています。「何を塗っても乾く年代」の上に、摩擦でバリアを壊し、気温も湿度も乾燥に向かうのですから、徹底したスキンケアと行為の見直しが肝心です。春夏だから大丈夫とか、秋冬だから乾燥する、などの問題ではなく、1年を通して朝のスキンケアはたっぷりのリッチな保湿剤と日焼け止めを塗るところまでがスキンケア、とお考えください。

そして、雑にやたらと顔も触れるような摩擦は加えないことです。皆さん「こすっていない」と一様に言いますが、当サロンでスキンケアカウンセリングでその手順をチェックしたところ、やはりこすっています。洗顔後に直接顔にお湯のシャワーを勢いよく浴びて洗顔完了、なんて最悪です。毎日顔に砂嵐を浴びせかけているようなものです・・・。

タオルをガーゼ素材に変える、ローラーでマッサージするような摩擦と圧力を加えるような無駄な美顔器は使わない、洗顔ブラシも不要です。1年を通じてこまめに洗顔料も見直しましょう。

女性ホルモンのピークは20代です。それを過ぎた皮膚には、それなりの別の扱いとケアが必要です。くれぐれも若いころと同じような無理や無茶はしないように、しましょうね。