ロレッタブログ

Primera Bailarina - 2020.12.11

アルツハイマー型認知症になっても身体と記憶にともに音楽とダンスが刻まれているのですね。身体性を伴う記憶は忘れづらいとよく言われますが、原始的な記憶ほど忘れづらいということなのかも。便利な生活に溺れるまで浸かった現代人は、飛べない鳥、泳げない魚、走れない馬と同じです。

2019年にスペインのバレンシアで撮影された映像です。

この動画は2019年にスペインの非営利団体である「Música para Despertar」によって撮影され、今年10月30日に公開されました。 credit:Música para Despertar(@DespertarMusica ) source:

1960年代にニューヨーク・シティ・バレエ団のバレエダンサーとして活躍していたアルツハイマーの女性。記憶を失い、車椅子で生活していた彼女に『白鳥の湖』を聴かせると、当時のままの美しくしなやかな踊りを披露しました。

この元プリマのMarta C. Gonzálezは、この動画が撮影された2019年の末に亡くなりました。

身体から想起される記憶もない現代人が、高齢になり、身体が不自由になり、脳からの電気信号もうまく発することができなくなったときに、どんなふうに「生きる」のでしょうね?