萎縮性膣炎・老人性膣炎とは - 2021.01.27
この数年、ようやく一般女性誌やWebマガジンでも女性の更年期と閉経に関する情報を割と見かけるようになりました。これは若いころから自分の美容や容姿にお金使うことが大好きなバブル世代が徐々に更年期、閉経・・・加齢のステップを経ているからなのだと思います。
が、更年期で骨密度が低下するとか、筋力が低下するとか、太りやすくなるとかぐらいまでの記述ばかりで、全身がカラカラに乾いてきたり、皮膚や粘膜は薄くぺらぺらになったり、組織が委縮してくることについて、いまいち説明が足りていない気がしてなりません。これまでも何度か記してきましたが、最近体形やら肌の変化やらに、私からみると遅すぎるぐらい今更な動揺をしているお客様が多いので、今日と明日は更年期について記しますね。
皮膚だけではなく、粘膜も全身も、水分と油分の分泌量が減ります。したがって、涙の分泌量が減少するのでドライアイになり、ものもらいができやすくなります。唾液の分泌量も減少するので、口臭がくさくなりやすく、歯周病にもなりやすくなります。30代過ぎればいくら定期的に歯科に通っていても歯茎も下がってきます。膣から分泌されるオリモノも減少するため、ショーツと外陰部が摩擦でかぶれたり痛くなりやすいです。「コットン100%のショーツでも、縫い目や布の折り返し部分が当たっていたいので、裏返しに履いている」という人も。
膣内は萎縮性膣炎や膣委縮でセックスが痛くなりやすく、使わなかった外陰部や膣硬くなったり委縮するので、挿入自体ができなくなることも。更年期を過ぎた初老期以降もセックスを楽しみたいかどうかは個人差が大きいですが、そう望む人は早いうちからダイレーターを使用した方がよいですよ。かかりつけの婦人科でぜひ相談してみてください。おそらく世の女性のほぼ多数が「ダイレーターって何?」という状態だと思うので、そういう人はこのブログの一番下のリンクを参照してください。
高齢の主人公が恋をして、セックスしようと思ったら身体的にもはやできず、いたかった、というような記述があることで話題になったのは、たしかこの小説だったと思います。(まだ読んでないけど)
日本人は、卵子の老化や閉経、更年期はもちろん、生理や妊娠すらろくに知識が無い(というか知識を自分から得ようともしない)女性が圧倒的に多いので、おそらくその文章の意味が分からなかった読者も少なくないんじゃないかと思います。
男性よりも女性の方が長寿なのでパートナーに先立たれる女性はとても多く、早ければ50代~60代で男性が先に亡くなります(それに近い致命的な大病をする男性も多い)。ですから、今は夫婦間やパートナー間でセックスレスでも、「高齢者」とか「老後」と言われる年齢になってからの恋もあるかもしれませんし、大いにしてほしい。実際に私の知る限りでも、70代や80代再婚したり、入籍はしなくても恋人がいる方はいらっしゃいますから。「80代の自分の母に恋人がいて、よく二人で旅行にいってる。」とかの話も聞きますもんね。
廃用性委縮は男女問わず、脳も骨も筋肉も臓器もふくめたありとあらゆる全身に起こります。更年期は別名「第二の思春期」です。男性よりも女性のほうが性ホルモンの分泌低下は崖から滑落するように急落しますが、それが及ぼすダメージの加速度や、それによる老化の程度の差は、やはり生活習慣が決め手のようです。
年を取ると一般にテストステロンの分泌は減っていくが、思いのほか個人差が大きい。堀江さんによると、「80歳でも若者と張り合える人もいれば、30代でも高齢者と同じくらいの人もいる」という。テストステロンの分泌は年齢以上に生活習慣やストレスの影響を受けやすく、40歳を過ぎればいつ男性更年期障害になってもおかしくないのだ。
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/21/011800001/011800001/?waad=abLZtgAl
更年期から初老期のホルモン不足は、女性だけの出来事ではありません。「男性にも更年期がある」という事実は、今や世界的なコンセンサスです。