ロレッタブログ

映画 糖尿病の不都合な真実 - 2021.05.18

クラファンで資金を集めた恐怖映画、ちょうど今月公開されていました。私の印象ですが、この映画でインタビューに応じている患者さんたちは、もしかするとまだましな方かもしれない。

私が聞いた話だと、何度医師が口酸っぱく言っても聞く耳持たずで、いよいよ切断するしかないという時になってから「エエッ!脅してるだけだと思ってました!どうか切るのだけはやめてください。そんなにひどいなら言ってくれたらよかったのに」(←何回も言った)と慌てる人とか、片方の足裏に釘が刺さっていても「こっちはいたくないから大丈夫」という人もいるそうです。片脚を切断しても大口をたたいて医療者の助言も全く聞かず、脳梗塞を発症、そしてもう一方の足も切断することになり鬱病発症、というケースもあるそうです。どうしてもう少し前に自己変容しなかったのかな・・・?そして、こういう患者さんを星の数ほど診てきている医療従事者の方々の徒労感や無念感は、もう想像するだけで胸が苦しくなりますね。

私自身、大病をしてもリハビリしない、薬すらまともにのまずに自己判断で中止する、様々な不調や症状が出ているのに病院に行かずに遊びを優先する、さらに生活習慣を変えないために数値が一向に改善せず、最後の手段で主治医が糖を排出する薬を処方したらあっという間に数キロ痩せた患者が「だったら最初からその薬だせよ」などと口にするの見たことがあります・・・。私は「そういう人がいるから医療費が上がり続けて国民の負担が増え続けているんです。副作用がある薬をすぐ処方するよりも、生活習慣を改善すればまだよくなる範囲内にいる患者に、まずはその改善を根気よく促す医師のほうが、医療者としてまっとうな判断です。」とバッサリ斬ったのですが、そういうことを理解していない。どちらの対応が患者の健康を本当に考えてものを言っているのかを、自分の頭で考えていない。目先の楽が好きだし自分を変えたくないし変わるのが面倒だしもっと言うとどうにかしてこのまま逃げ切りたい(←無理)、なのだろうと推測する。

これって高学歴とか高偏差値とかお金持ちだとかは全く関係がなくて、そこそこお金を持っていて、高学歴や良さげなタイトルの職業に就いていても、こういう人はゾロゾロいます。

おそらくこういう人にとって、生活習慣の改善を促す人間は「うるさくて」「おせっかい」なのだと思う。だったら、どうして「体調がすぐれない」とか「具合が悪い」とか口にするの?「あなたがそういう生活を改めないから、仕方がないですよね。太く短く生きるのもご自由です」とか言えば、少なくとも気分を害するのではないでしょうか。一体どうしたいのでしょうか?医療関係のお客様や知人ともよくこういう話をするのですが、いつも結論は「死にたいんでしょうね」となります。

自分を変えずに自分の状態が良くなるはずがないので、自分を変えないってことはつまり死にたいってこと。自分の代わりに仕事をしてくれる人はいくらでもいるけど、自分の代わりに病気になってくれる人はいません。まさかこれ、知らないはずはないよね?