ロレッタブログ

Slip, Slop, Slap, Wrap, - 2021.07.14

オーストラリア大陸は上空のオゾンホールが薄いため、紫外線のメリットとデメリットを上手に利用するための、サンスマートプログラムが国民に広く認知されているそうです。

日本人は女性はどうも過剰に紫外線を忌避する傾向がありますが、地球上で生命活動を行う哺乳類はすべて太陽光と紫外線の恩恵を受けて生きています。紫外線が我々に与えてくれる多大な恩恵である、ビタミンD合成や免疫機能増進や精神安定、体内時計のリセットなどがかけてしまうと、心身の健康は損なわれてしまいます。正しく活用して、恩恵も全身で十分に得たいですね。

オーストラリアでは紫外線による健康被害予防に向け、1980年代に「サン・スマート(Sun Smart)」プログラムが導入されました。中でも、特に力を入れているのが子どもへの紫外線予防指導で、『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』というスローガンを合言葉に具体的で徹底した対策がとられています。

『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』とは、紫外線予防のために取るべき行動を示す言葉で、次のような意味があり、子どもたちが屋外へ出る時に守るべきスローガンになっています。

長そでのシャツを着よう! (Slip on a long sleeved shirt!)
日焼け止めを塗ろう! (Slop on some sunblock!)
帽子をかぶろう! (Slap on a hat that will shade your neck!)
サングラスをかけよう! (Wrap on some sunglasses!)

子どもの時に大量の紫外線を浴びることが将来的な健康被害リスクを高めるため、紫外線から子どもたちを守ろうということで、このスローガンが誕生しました。

https://japan.embassy.gov.au/tkyojapanese/aust_sunsmart.html

SeekとSlideが加わったバージョンもあるそうです。

オーストラリアの紫外線対策は世界で最も歴史が古く、紫外線の害を予防しようという考えは国民の間に広く浸透しています。特に、子どもが日中長時間過ごす学校では、分かりやすく、きめ細かい指導が行なわれています。

例えば、『ノーハット・ノープレイ(No Hat, No Play)』ということで、帽子をかぶらない子どもが校庭で遊ぶことを禁じている学校が少なくありません。しかも、戸外活動授業でさえ禁止してしまうという徹底ぶりです。日光の当たる身体部分にはすべて日焼け止めを塗ることを義務づけ、各クラスには日焼け止めが常備されています。

子どもは先生や大人を見習い、真似をする中で学ぶことが多いため、学校では先生が、家では親が良い手本を示し、紫外線対策であるサン・スマート・プログラムを実践しています。