ロレッタブログ

超人たちの人体展 - 2021.08.22

日本科学未来館で開催中の超人たちの人体展に行ってきました。

https://www.nhk.or.jp/special/jintai/chojin/

特別企画「超人たちの人体」

最先端の科学研究からアスリートたちの人体の秘密に迫る

世界の頂点を極めたアスリートたちの人体の驚きの仕組みや美しさ、そして私たちの体のさらなる可能性を肌で感じることができる展覧会です。

驚異の身体能力で、不可能とも思われてきたさまざまなスポーツの記録を塗り替え、世界の頂点を極めたアスリートたち。本展では、ウサイン・ボルト(ジャマイカ・陸上)やタチアナ・マクファーデン(アメリカ・パラ陸上)、ケレブ・ドレセル(アメリカ・競泳)といったトップアスリートたちの体内を磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影し、筋肉や脳をこれまでにない高精細映像で可視化しました。ご来場の皆様には、ボルトの等身大MRIプロジェクションや水中カメラでとらえたドレセルの幅約14メートルの大型映像など、超人たちの卓越したパフォーマンスと肉体美、その裏に隠された驚きの身体的特徴を体感しながらご覧いただくほか、筋力、ジャンプ力の測定や、競技用車いすを使った100メートル走行疑似体験など、実際に体を動かす体験を通じて、超人たちと私たち自身に秘められた可能性に触れていただきます。自分も超人なのかもしれない……。私たちの体の中に眠る驚異の能力を会場で解き明かしましょう。

側弯症のボルトの脊柱は、脊柱の中でも最も可動MRIで撮影したボルトの体内映像データを、等身大のボルト立像にプロジェクションマッピングで高精細に映し出します。する胸椎が右に弯曲しています。

そこで編み出された全身の使い方の進化がとても興味深い・・・。館内の展示では、この左右非対称な身体が負う怪我のリスクについてもフォーカスされていました。

一流のアスリートは、一見偏平足に見えるのですが、実はこれ足裏の筋肉が発達して土ふまずのくぼみがなくなるぐらいボリュームがでているだけなんでよね。たしかイチローもそういう足をしていたはず。

ソビエトで生まれたタチアナ・マクファーデンは二分脊椎。私も友人が二分脊椎症で、さらに脳梗塞も患っているので、脳の可塑性と超適応のエピソードが他人事とは思えません。

長年運動不足の人は、脳の中でも運動をつかさどる分野が発達していないので、そこに運動や外部刺激を入れ続けて新たな神経回路の結合を促さなければなりません。動きを習得し、うまくなるためには、練習、練習、練習、の反復です。練習すると脳や身体の構造や機能が変化するので、多彩な動きや、できなかった動きができるようになるのです。

小学1年生から長時間の座位生活が始まり、外遊びもろくにしないまま30歳になったとすると、約24年間ものあいだ認知能力だけを高め続け、身体の多彩な動きをつかさどる脳の部位への刺激入力や成長を怠ったまま、いびつに脳の発達させてきたことになります。

これが40、50、60歳ともなれば、たった数か月や僅か数年間ちょっとぐらい運動を増やしてみた程度で、いびつに偏った脳の発達や、加齢で加速する脳と身体の全身の機能衰弱を補えるはずがないのは、ちょっと考えればお分かりになると思います。体をふんだんに動かすことがない生活は、身体だけではなく脳が早く衰え、思考能力を低下させ、理性を奪い、あらゆる機能低下を招き、更に全身の衰弱が恐ろしいスピードで進行するのです。私も様々な人と接する中で、確実に「IQ大丈夫かな?」というレベルで「自分の頭で考える」ということをできなくなっている人はとても多いと感じています。30代ぐらいからごろごろいますが、50代はもうシャレにならないレベルに到達しています。

実際に競技で使われる車いすは、空気抵抗を減らすために2輪から3輪になり、このフォルムまで進化したのだそうです。選手はこのシートに正座のように足を折りたたみ、極端な前傾姿勢で後ろの車輪を両手で漕ぎ続けますす。脊柱を支える筋肉群にも大変な負担がかかる姿勢ですし、上腕三頭筋や三角筋などの上肢の筋肉はいわずもがな。

競泳バタフライ100メートルの世界記録で東京オリンピックでもメダルを獲得した(らしい)ドレセルのSCMが太い!!!!!!!!

無呼吸で泳ぐラスト15メートルで、ドレセルは一度も息継ぎをせず他の選手をぐんぐん引きはなすそうなので、大量に酸素を取り込むために発達したわけですね。もっと調べたら斜角筋などの頸部筋は全体的に驚異的に発達してそうな気がしてなりません。

鍛え上げられた身体にタトゥーがまた美しいんですよ。本人の身体そのものが芸術品なうえに、更に泳ぎまで美しい。しかも顔もかっこいい・・・映像は眼福ですよ。

下記の動画でもわかるとおり、胸鎖乳突筋は呼吸の主動筋ではありません。ドレセルの胸鎖乳突筋は独特な泳ぎのために発達したもの。一般人によくみられる代償動作としての鎖骨や肩甲骨の過剰な挙上を伴うを吸気とは全く訳も次元も異なります。とはいえ、それにしてもここまで太くなるとは、驚愕です!

ちなみに、この胸鎖乳突筋が美しく浮かび上がっていると首は長く、デコルテも非常に美しく見えるのはご存じでしたか?うちのフェイシャルの手技はゲランの手技を主に用いているので、ローブデコルテに生える首とデコルテを保つために胸鎖乳突筋にもしっかりと手技を行っています。