ロレッタブログ

社長になった元専業主婦 - 2022.04.06

この数年、気になって著作やインタビューを読んだりしている人がいるのですが、最近は一層メディア露出が増えていますよね、薄井シンシアさん。

→〇17年の専業主婦生活からの就職。人生後半戦のキャリアの積み上げ方

私のかなり前のブログでこんな風に記したことがありました。

専業主婦だと成長がないかというと、全くそうではないと思うんですよ。家庭内の経理、人事、総務、運転手、保健室、栄養士、シェフ、保育士、介護士、教師、カウンセラーなど八面六臂の大活躍を求められる立場で「家族全員を案じて、先を読み、迅速に決断し、行動に移す」という毎日を数十年間続けて生活の職人になり、ひいては家事外注サービスなどでひっきりなしにお声がかかるという方だっていますよね。ボランティアで素晴らしい活動をされているお客さまもいらっしゃいます。

だから、右手に使命感、左手に向上心を備えてその道を切り開いて進んでいけば、どんな立ち位置を選ぼうとスキルが上がらないはずがないと思うのです。

自称「年齢より若く見えるんです」に要注意!!<続き>

まさにこれを文字通りやってのけている人で、とにかく生き様が潔い。自分の人生という車の運転を、会社や親や夫に全責任を委ねたり子どものせいにしたりせず、自ら運転席に座って運転していく気概のある人、という印象です。このインタビューなんて、「愛娘を一人前の大人に育て上げた経験は、アメリカ大統領を務めたのと同じぐらい最高の仕事」なんて、子ども冥利につきますね!!

正直、ご本人のバックグラウンドから現在に至るまでの経歴について、色々と揶揄する人もいると思うんですよ。ご本人の生まれが元々良くて地頭もいいからだとか、バイリンガルだからとか、娘もおとなしい女の子が一人だけだったからだとか、旦那さんが外交員で海外生活が長いなんて普通の人とは全然違う的なことを言う人って、きっと山ほどいると思うんですよ。でもね、さんざん様々な生まれ育ち職業立場の女性を定点観測してきて私が思うのは、それなりに条件がそろっていても自分のためにちっとも頑張れなくてすぐにあきらめる人なんて、もっといますよ、ということです。

口だけじゃなくて、実際に自分でやってみて、離婚もして、たとえ失業しても不死鳥のようにカムバックして、「経験のなかった自分をここまで引っ張り上げてくれた人たちのように、私も世の女性たちにチャンスを与えていきたい」と思い、それを実際に60代で行動にうつし続けている女性って、いったいどのぐらいいますかね?悠々自適で引退して楽した言って人の方が、よっぽど多いと思うんですよ。

育児でキャリアにブランクのある専業主婦やシングルマザー、そして英語が流暢なのに日本語が完璧ではないという理由でキャリアに苦労している20代の女性たちの就労支援を積極的に行っていたり、サステナブルなライフスタイルを数十年前から実践していたり、転職ごとに給与を上げて、正社員ではなく契約更新制を選び、転職毎に給与を上げ、失業しても復活、ゼネラルマネージャーをすっ飛ばして日本法人社長とか、書ききれないくらいのことが語られていますが、私が最も激しく同意したのは「キャリアをボトムからはじめることを恐れるな」まさにそのとおり!!!本当にかっこよすぎます・・・!

下のインタビューも、ものすごく興味深いです。人材登用でチェックする点(興味深いし超納得!!)、HomemakerとHousewifeの違いと自己修練、人生100年を先にやっているだという話、日本社会の同調圧力、男性の育休取得、クオーター制について、常に新奇探求につとめること、そしてそれを自分で評価していくこと、日本人におもてなしを教える必要があるのか否か、などなど、「まさにそのとおり!」と言いたくなることが述べられています。

→〇Now and Zen Japan Cynthia Usui: Author, Career Re-Inventor, and Female Empowerment Coach

このインタビューで語られている、ハイコンテクスト文化ならではの日本語表現「空気を読む」「食べた?」「この間どうも」の話は笑えました。たしかにこういう表現が頻出する日常会話って、ローコンテクスト文化の人には「一体何を指しているの?」と、謎でたまらないでしょうね・・・ご興味のある方は是非どうぞ。自分を律して潔く生きている人は、本当に素敵です。