ロレッタブログ

「障害」ある人の「きょうだい」としての私 - 2022.06.13

私は、友人や知人に先天性や後天性の障がい者がある人が少なくない方だと思うのですが、ヤングケアラーという言葉がまだ無い頃から肉体や脳に障害のある姉妹姉妹や親のケアをずっと続けている人も何人かいます。もしかしたらまだご本人から聞いていないだけで、私が知らないだけのケアラーもいるなないか、と思っています。彼らから話を聞いていると、兄弟姉妹は親よりも長くケアに携わることになるのに、一般的には「どうして兄弟が大変なの?」という反応になりやすいみたいなんですよね。

ひとりひとりの体験や考え方や抱える思いに違いはあると思いますが、どうも兄弟姉妹という存在は最も取り残されてしまいやすい人達なんじゃないかと思えてなりません。ケアラー当事者からは、周囲の人から「お兄ちゃんの分も頑張らないと」とか「あなたがしっかりしないと」みたいなことを一方的に言われたり、学校でもきょうだいのことでいじめられたりからかわれたり。その時にまだ自分も子どもだと「何かがおかしい」と感じたとしても、うまく言語化できないから、より苦しいんじゃないでしょうか。そして、ケアラーから「自分は結婚できたからまだラッキーなほうです」という言葉が聞こえてくることも、決して珍しくありません。そういう話を何度か聞いたことがある私としては、成人以降は社会によるサポートをメインにして、家族が負担を抱え込むことから解放されてもいいんじゃないかと思ったりもします。


5月に新宿2丁目で開催された、聴覚障害がある弟をもつ藤木和子さん(弁護士)と障害のあるお子さんを子育て中の前園進也さん(弁護士)の対談「きょうだい」と「おや」の対話がnoteで公開されました。私は残念ながら当日は仕事で駆けつけることができなかったのですが、後日こうやって公開してもらえるので本当にありがたいです!この対談はnoteで有料(たったの500円!)で視聴できますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。「きょうだい」と「おや」の対話 で検索してみてください。

藤木和子さんは初のご著書『「障害」ある人の「きょうだい」としての私』を出版されたばかりです。

私たちのことは誰が助けてくれる? 「ヤングケアラー」の当事者からの切実な声を紹介し、支援の必要性を訴える。

障害児者とともに育ち、親よりも長い一生の関係となる「障害児者のきょうだい」。幼少期から差別や偏見を受け、身近な支援者としての役割を期待される一方で、自身のことは後回しにされてしまいがち……。「ヤングケアラー」としての自らの切実な悩みや体験も交えて、さまざまな新しい取組みを紹介、支援の必要性を訴える。

https://www.iwanami.co.jp/book/b603044.html

“きょうだい児”だったから弁護士になった私~周囲の期待と自分の進路・職業選択~

”障害や病気のある子どものきょうだい”について先生方に知っていただきたいこと
明治図書HP 教育オピニオン


今回の対談での前園さんの実家ネタ、本当にいつ聞いても面白い(って言っちゃ失礼かもしれないけど本当に笑えるので・・・!)。前園さんは法律の専門家としての立場から、ツイッターやYouTubeなどから積極的な発信を続けています。

YouTube 「障碍者家族サポートチャンネル」