【外反母趾】外反母趾形成の生体力学 - 2022.08.06
Dr Emilyによる外反母趾形成の生体力学の解説の、ショートバージョンはこちら。
以下、ざっくりまとめました。
外反母趾手術の10年後ぐらいに外反母趾が再発したというような場合は、母趾の中足骨の矯正が中足骨遠位のMP関節ではなく、第1足根中足関節(metatarsal cuneiform joit)で行う必要があったということ。リスフラン関節 (足根中足関節)では、なかでも第1足根中足関節(The 1st ray)が第2足根中足関節よりも比較的可動性が大きいため、ハイパーモビリティです。つまり、外反母趾を引き起こす偏移はここから生じやすいのです。
外反母趾の重症度は、この第1と第2の中足骨間角度(First‐second intermetatarsal angle:M1/2)で判断します。右のレントゲン写真のような中程度の外反母趾に運動療法は有効ですが、左のレントゲン写真のような重度の外反母趾は運動で矯正することはできません。
右の足には、ショートフットによる足の内在筋と股関節の強化、トゥースペーサー、テーピングなどで母指の偏移を矯正し、形成された母趾角(親指の付け根の出っ張り)を軽減することができるかもしれません。しかしながら、手術無しでもこの母趾角を無くせるとまでは思わないでください。
中程度外反母趾の患者で外反母趾サポーターを着用している人もいますが、それらを着用してもまだ母趾の出っ張りは存在しています。深刻な外反母趾でありながら手術には関心がない患者やクライアントには、外反母趾のバイオメカニクスを説明しなければなりません。足の安定性を高めることで外反母趾進行を抑えることはできたとしても、足の矯正まではできないことを理解してもらいましょう。
ロングバージョンはこちら。こちらは以前にもこのブログでご紹介したことがありますね。セミナー時間がちょっと長いので、さすがにこれをまとめるのは省かせてもらいますが(笑)、質問があればサロンでご質問ください。こういうのを1日中BGM代わりに聞いているのが私の今年の過ごし方です。
この他に情報収集を英語でしたい方は、外反母趾はBunionまたはHallux Valgus、内反母趾はHallux varusでで検索してみてください。