ロレッタブログ

ドーパミンは「もっと!」と同時に「痛み」も生み出す - 2022.09.24

昨日の続き。

ドーパミンは「もっと!」と探求や向上の源になる感情を生み出しますが、同時に「痛み」も生むそうです

ひとたび依存行動や依存物質を摂取すると、脳は報酬過多な状態(ドーパミン分泌↑↑)になるので、速やかかつ自動的にホメオスタシスが作動し、ドーパミン分泌量が元に戻るのだそうです。しかしその際ドーパミンレベルはベースラインに戻るのではなく、ベースラインよりもさらに低くなるのだそうです。しかもなんと依存物質や行動でドーパミンが高い状態になった時間と比べると、低い状態のほうが「長く強く続く」のだそうで、これが「痛み」になります。だからこそ依存物質や依存行動を再びとりたくなるし、「もっと!」が生まれるのですが、それを繰り返せば繰り返すほど、平常時のベースラインよりも低い状態「長く強く続く」ようになるので、次第に同じ行動や物質摂取でもその程度は「快感は短く弱く小さく」なり「痛みは長く強く続く」なるそうです。そして量と頻度がエスカレートしていく依存症になる。

これ、ぴんとくる話ですよね?チョコレートは「1粒だけと思ったら止まらなくなって、あっという間に1箱食べちゃった!」となるし(私も経験有)、ジャンクフードは「悪いと判っていてもやめられない」し、タバコは「朝起きて、食事のあと、仕事の合間、リラックスしたい時に、手持ち無沙汰な時に、口寂しい時に」なんとなく手が伸びるし、お酒は「仕事終わりの1杯、寝酒も、嬉しい時も悲しい時も、お祝いの時も何でもない時も、常に傍にあるもの」になりがちです。

ほかにも、元薬物中毒のアーティストが「薬をやらないと廃人同様だから朝目を覚ましたらベッドから起きるためにも薬が必要だった」と語っていたり(エアロスミスのスティーブン・タイラーだったか?)アスリートが金メダルを獲得後に燃え尽きて数か月や数年間も鬱に苦しむとか、「成功したと思った途端に抜け殻のようになった」なんていう話はよく聞きますよね。

結婚式や昇進や妊娠などの一見喜ばしいとされる変化でさえも、実はストレスが非常に高い状態と言われるのは、環境の変化と同時に、もしかすると世間的に一定の「達成」とされるところに到達してドーパミンが大量分泌された後に著しく低下する・・・という一連の現象も関わっているせいかもしれません。


下記の図、喜ばしいイベントも意外と入っていますよね?こういうのは、(死亡とか事故は別としても)もしある程度事前に予定を組めるなら、各イベントのスパンは長めにとったほうが脳と心の負担が軽減できるかもしれません。

・ホームズとレイのストレス度表(社会的再適応評価尺度Social Readjustment Rating Scale:S.R.R.S.)

https://mitsucari.com/blog/stressor_ranking/