ロレッタブログ

おばあちゃんを笑顔に…そして人生の最後の時間に寄り添う「介護美容」とは - 2022.10.28

私がエステのクラスを担当した介護美容研究所の教え子であり卒業生の、箱石志保さんがテレ朝NEWSの取材を受けたそうです。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/a168a8b898237e6c44be0814d79b7f5f6bd9b0ac

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https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000272821.html


思春期から20代後半頃までの美容は、ホルモンと本能に基づいた異性獲得欲求の現れとしての美容のことが多いです。子どもから大人に移行する時期が思春期ですから、子どもの頃は全く気にならなかった他人からの視点が気になり始める。内省と言うよりもむしろ自己肥大の自意識過剰。とにもかくにも他人からどう見られているかが気になって仕方がない時期、ですね。経験の未熟さゆえに、理想の自分像が潔癖主義的かつ非現実的に高すぎて、そのハードルを越えることができない。

そもそも思い描いてる「こうなれるはずの理想の私」が生身の人間が到達できる領域じゃないから当り前なんだけど、それを描いているあたりが未熟さの証明(笑)。だから、恥、失敗、その時の他者からの目線に過敏。自分で勝手に自己否定している女性が非常に多いのも思春期~20代後半世代の特徴です。ただし、生物学的には脳が24~25歳に完成していることを踏まると、本来ならば20代後半にはこの自家中毒的な自意識過剰状態を脱しておきたいところです。

では30代以降の美容はどうなるかというと、清潔さを保つ一環として、歯磨き洗顔と同等レベルでエステ習慣がここから数十年レベルで励行されていく人もいます。このレベルに達したお手入れ習慣の有無が60代、70代、80代・・・と加齢するにつれて恐ろしいぐらい見た目に顕著に現れるようなります。しかし実際には、30代~40代半ば頃までは、まだこの事実に気づけていない人の割合が圧倒的に多い。

また、それとは異なる「私だけは他の人とは違う」的なナルシシズムの高まりの現れとして美容に取り組む人もいたり、元々神経症的な性格の人の場合は、他人からは全く気にならない程度の極小の毛穴やシミにとらわれてますます神経症を悪化させていったりします。このほかにも様々なバリエーションがありますが、いずれもその境界線は明瞭ではなく、いくつもがグラデーションのように交わりやすいのも、この世代の美容の特徴のように感じます。

これらに加えて、45歳からの更年期前半~50歳の閉経~55歳までの更年期後半ごろでは、依存症と紙一重の美容にもなりやすい。この場合は、運動などの本来この時期こそすべき身体のメンテナンスは軽視し、顔と見栄を張れる物品に大金をかけつづける・・・的な客観性を描いたアンバランスな行動と外見になりがちです。このようにミッドライフクライシスは、美容などの外見のつくろいに非常によく現れます。60代になると、首から上や見えるところだけにお金をかけてきた人は、健診の血液検査や体組成などの数値や、体力とスタミナ欠如が現実生活に如実にあらわれるので、「顔は若くみえても首から下は・・・」というアンバランスも、年毎に顕著になってきます。

ただし、「若い頃はとにかくがむしゃらに働いて、なんとか子どもを育て上げなければという義務感で精いっぱいで、もっときれいになりたいと思うような余裕は精神的にも時間的にも金銭的にも全くなかった。でも60代になって、社会の景色の中で他人の目に見苦しい景色の一つじゃなくて、せめて清潔感のある見苦しくない状態で年をとっていきたいと思った。この年で、生まれて初めて心の底からきれいになりたいと思うようになった」という方もいます。ただし、ここまでご自身を客観視して内省できてさらには言語化までできているという点で、相当レアなケースです

個人的には、介護が必要でなくとも、生物としての生命力と新陳代謝のピークがとうに過ぎた35歳以降ぐらいから、せめていくら遅くとも40歳までにはこうしたことを理解し、俯瞰して美容に向き合うことができていれば、とても楽なんじゃないかなあ、と考えています。実際には上記のとおり、40代後半ぐらい(もっと細かく言うと、私の体感では47歳、48歳ぐらいから特に)あたふたする人が多いのですが。私自身は、10代のころから常に終わりを意識して何事にも取り組むように心がけています。


自分の人生を終えていくのは誰にとっても大変な道ですが、自分の老いと死を受け入れたときから、美容はご自身の尊厳のための毎日の美容、そして介護美容に移行していきます。