四つん這いで生きる人々 - 2025.01.20
ショッキング過ぎる現実ですが、トルコの人里離れた村に四つん這いで生きる兄妹が実在するそうです。手は手根を地面に着き、指を曲げて置くように歩いているそうで、その姿勢で何キロも歩けるらしい。
この番組(60Minutes Alstralia)は内容が面白いので、時折チェックしているのですが、この両親はまたいとこ婚で、18人(!)の子供のうち、12人は健康なのですが、6人に障害があり、一人は(アルコールを飲んでいなくても)酔っぱらったような歩きかたになるそうですが、まだ二足歩行は可能。ただし、残りの4人の姉妹と1人の男性は四つん這いで歩くことしかできないのだそうです。
調査団によって様々な角度から調べたところ、脳のMRI画像によると四つ這いの全員の小脳虫部が委縮していたそうです。小脳の障害で起こる代表的な症状には運動失調があり、特に小脳虫部の障害は全身の動きの混乱をもたらすようです。ただし、この小脳虫部の障害だけが原因と特定しづらいようです。というのも、イタリアでは大脳がない男性でも立位歩行ができた例があるのだそうです(大脳の全部がないんですかね?!)。人間って本当に複雑にできています・・・。
現在、この兄弟たちは歩行器や平行バーを用いて垂直立位と立位歩行の訓練に取り組んでおり、今後もさらなる調査が続けられるそうです。
脊柱の配列はもちろん、股関節は極端に外旋外転しているでしょうし、軟部組織の伸長バランスも四つ這いに適応してしまっているでしょうから、どこまでバランスのよい立位二足歩行が獲得できるか、大変興味深いです。決して急がず、慎重に長い時間をかけて新たな適応を生んでいく・・・という感じだと思います。いやー、びっくりしました・・・。