握力と寿命の関連性 - 2025.02.13
握力と寿命には密接な関連性があるのをご存じでしょうか?握力は全身の筋力を反映する重要な指標のひとつ
握力の平均値は年代によって異なり、一般的には男性は35~39歳、女性は40~44歳でピークに達し、その後加齢に伴い低下します。

研究結果によると、握力が強いほど死亡リスクや心臓病、脳卒中などの病気を発症する可能性が低くなることが分かっています。つまり、握力が弱いほど死亡リスクも、死に繋がる致命的な心臓や脳の疾患を発症する可能性も高いのです。生活するために必要な握力は16.1kg以上、ペットボトルを開けるためには10.5kg以上が必要といわれています。 つまり、まだ要介護ではなくても、自分で瓶やペットボトルの蓋が開けられない人は衰弱がかなり危険なレベルに達していることを意味します。
具体的には、以下のような関連性が示されています:
- 握力が5キロ低下するごとに、死亡リスクが16%増加する
- 握力の低下は、心臓発作リスクの7%増、脳卒中リスクの9%増にそれぞれ関連している
- 握力が弱い人は、高齢化に伴って身体機能が低下しやすく、要介護度が上昇するリスクが高くなる

握力が寿命と関連する理由としては、握力のある人は体を積極的に動かしている人が多く、運動不足が原因となる病気のリスクを下げているためと考えられています。
また、握力は健康寿命(自立して生活できる期間)とも関係しており、握力が強い人は長く健康寿命を保ちやすく、高齢化に伴う身体機能の低下を遅らせることができます。
私の個人的な印象ですが、握力が弱い人ほど全身の筋力低下がかなり著しいので、舌や喉の筋肉も衰え呂律が回らなくなってきていたり、食事でむせやすくなる人が多いです。エクササイズでは手首や肩もすぐに痛くなりやすく、プランクや腕立て伏せをする時にそもそもスタートポジションすら取れないほど衰弱しています(汗)。お客様からお話を伺っていると、握力がかなり低下した親御さんは歩行速度も顕著に遅くなっていることに気づかれていたり、「もしかして認知症も始まってる?」と感じていることが多いですね。
このくらい体が弱ってからのトレーニングはリハビリ的な身体の再教育になります。ユルユル取り組むよりも、ご本人が「ライフスタイルを総とっかえする!」ぐらいの覚悟と真剣さで取り組まれたほうが、改善につながりやすいのは言うまでもありません。