ロレッタブログ

腰幅?坐骨幅?股関節幅? - 2025.03.18

「腰幅と坐骨幅と股関節幅って何が違うんですか?」「坐骨幅と腰幅は同じですか?それとも違うものですか?」

お客様からよく頂く質問です。既にプロとして活動しているピラティスインストラクターからも尋ねられたりするので、業界的に基本概念が混乱しているのがよく判ります。混乱の元は、テキストや団体によってはこれらの用語を正確に使い分けていないこともあったりするからかもしれません。当然、そのような教材で学んだインストラクターは素直に「そういうもの」として引き継いでしまうのがもどかしいところです。講師はそのテキストに従って教えなくてはならないので「何で坐骨幅と腰幅が同じ解釈になるの?おかしくない?」と甚だ疑問に思いながらも、教えているケースも無きしもあらず・・・かもしれません(私だったら絶対にそうなるね)。

で、答えはこちら。↓


 

【基本姿勢における解剖学的アライメントの目印】

A : 坐骨幅=股関節幅=normal relaxed standing=aligned with sit-bone=踵の中心は坐骨結節の真下

B : 腰幅=骨盤幅=hip-width stance=hip-distance apart=踵の中心は大腿骨近位部の大転子の真下

C : 肩幅shoulder-width stance=shoulder-width atpart=踵の中心は肩峰の最も外側の点の真下

D:肩幅より広めwider-than-shoulder-width stance=wider-than-shoulder-width apart=踵の内側は肩峰突起から床までのラインの外側

画像はhttps://www.crossfit.com/pro-coach/building-technique-from-the-ground-up-part-2-foot-placement-with-external-loadよりお借りしました。


いかがでしょうか?スッキリしましたか?(笑)これらの正確な理解と実施は、エクササイズの効果発揮と安全の確保において非常に大切な要素です。

注意すべきは、以下の2つ。

B:腰幅=骨盤幅=hip-width stance:ここで示されている股関節幅は、骨盤の上端、つまり左右の腸骨の外側稜、つまり股関節の実際の幅の広い部分の幅を指すのではなく、大腿骨の骨頭が骨盤の寛骨臼(ソケット)に収まる位置を指します。これが後ろから見た場合には、踵の最も外側が同じ側の大腿骨の大転子の最も外側の点の真下に並ぶようになり、これにより、踵の中心が大転子の中心に位置します。

C : 肩幅=shoulder-width stance:後ろから見たときに肩峰突起の下に踵が位置するポジションを指します。踵の外側縁が三角筋の最も外側の縁の真下に位置するように目視で合わせると簡単です。この肩幅では、骨盤を左右の脛骨と足首の間に落としていくことが可能になるため、フルレンジのスクワットなどに用います。このスタンス幅がもっと狭くなると、大腿骨後面と脛骨後面の筋肉が接触して深くしゃがむことができません。


エクササイズの動作や目的に応じて足幅は異なります。インストラクターが指示する足幅がよく判らない場合は、ぜひ確認してみてくださいね。

ご自身の体を安全に育むためには、「どのメソッドを選ぶか」も大変重要です。そして「誰に正しく教わるか」はもっと重要です。