ロレッタブログ

ベアフットシューズは万能ではない - 2025.03.12

先月はPIVOTなNewsPicksでベアフットシューズの特集が組まれたせいか、うちのこのブログのアクセス数が激増していました。

ベアフットシューズは万人向きではない

この番組を視聴すると、まるでベアフットシューズを履けばかなりの人の健康が増進するように思えるかもしれませんが、全くそうではありませんのでご注意くださいね。

私はNikeFreeとVivoShoesを愛用していますが、これNikeFreeよりVivoShoesのほうがゼロドロップです。いずれもソールも薄く、踵を打ちつけるような歩行をしている人、反り腰、曲がり越しなどの体幹と股関節の弱化、足関節の不安定性のある人が履いたら、まず疲れるでしょうし、怪我をしかねません。ゼロドロップシューズは、足首の背屈制限、普通のスクワットはもちろん、インナースクワット、ワイドスクワット、コサックスクワット、グッドモーニングなど自重でもできない人普通のはまず止めた方が良いと思います。その前に厚底でもゼロドロップでもない普通のシューズを履いて、全身の関節が本来備えているべき正常なモビリティとそれを制御する筋力を獲得する方が優先順位は高いです。


ちなみに、番組内で表で紹介されているブランドのVibramFiveFingersをめぐる訴訟というのは、私が聞いた話では、そもそもランの正しいフォームや体幹や全身の関節可動域があらゆる可動域で正しく動かせるなどの基本的なスキルをまだ獲得できていない、ただタイムが早いだけのランナーが、「VivramFiveFingersを履いては知ったら、結局怪我したじゃないか!」と訴えた・・・と聞いています。アメリカ的ですよね・・・。

あと、同じくこの番組の表で紹介されているブランドにMERRELL(メレル)のVAPOR GLOVEが乗ってないのはなぜ???シューズのトレンドに詳しいジャーナリストであることと、足部の構造や故障、体幹や全身のトレーニングに精通したうえでシューズまで語れるかどうかは全く別の技能というか能力なので、まあ仕方がないかもしれませんが・・・。


ちなみに、私は厚底シューズは絶対に履きません。厚底で走り続けられるのは、強靭な体幹や関節可動域の獲得はできているのが当たり前で、かつ股関節周囲などのアウターもかなり強化した人じゃないと無理なんじゃないでしょうか。短期的には走る感覚が変わって楽しかったりタイムが上がったように思えても、長期的には怪我リスクが高まります。「ふかふかして気持ちいい~!」と、姿勢が悪く体幹も筋力はアウターもインナーも弱い人が厚底シューズを履いて毎日歩いたり走ったりするのは自殺行為と言ってもいいかもしれません。

道具は身体操作しながらうまく使いこなすもの。身体操作やアナトミー感覚を高めようとせずに、道具さえあれば身体が変わると思うのは、とんでもない勘違いです。

以下の動画 ↓ では、厚底シューズについて為末大さんと中野ジェームスさんが対談しています。当サロンのお客様で、シューズやランについてご質問いただいた方には、この動画は1年前に既にお送りしていますねが、復習がてらぜひ視聴してみてください。神楽坂駅からすぐの中野ジェームスさんのジムでも、ピラティスのリフォーマーと似たトレーニング機器があり(もちろん私も試し済み)、楽しそうに為末さんが初乗りしています(笑)。