ロレッタブログ

あなたの不調、本当に加齢のせいですか? - 2025.05.28

加齢による変化と、きちんと健康を自己管理してこなかったことによる変化は混同されがちです。

加齢による変化は、生きていれば誰しも起こりますが、かといって40代、50代、60代になった時に誰もが一様に太っていたりがりがりに痩せているわけではありませんし、誰もが速足で歩けないほど衰えているわけでもありません。では、実際に加齢による変化はどの程度起こるのでしょうか?

この表のとおり、上肢は殆ど衰えがないはずなので、瓶やボトルの蓋が開けられない人はそもそも体を使ってきていないだけなのがよく判ります。


次の表からは、下肢筋力の減少は男女ともに進行することが判ります。私が常々「運動の習慣化は理想は30歳から」、とお伝えしているのは、この減少曲線に入るのが30歳だからです。日本の健康寿命は、2022年の推計で男性72.57歳、女性75.45歳。30歳から健康寿命とされるまでの40年間、どんなふうに体を使って生きるかが重要です。


ただし、ここで最も重要なのは、筋肉量や関節の可動性、感覚の精度などの、ある程度自然に衰えていくものもあるけれど、大抵の場合は「老化で衰えた」と考えている現象の多くは、ご自身が何十年も健康と向き合い自己管理してこなかったことによるものだ、ということです。

現代人の生活は、現代人の生活は、「日中はほぼ座位で過ごし時折散歩する程度の運動」です。200年や300年前ならお姫様かお殿様の暮らしです。これで衰えないわけがない。

なので、皆さん加齢を言い訳にせず、自己管理不足を認めて、とっとと取り組みましょう。こういう事実を受け入れて、自己改善に積極的に取り組めなくなるのが、脳の老化も進んだ証拠です。体の老化は「加齢のせい」、脳の老化は「私は違う」というのは筋が通らない話です(笑)。


正直なところ、ヨガやピラティス、筋トレ、ファンクショナルトレーニング、各種体操など星の数ほどメソッドがありますが、これらはルーツや方法が違っても結局どれも本質的に述べられていることは同じで、それは以下の3つに集約されるでしょう。

  1. 心身の健康というものが、実は運動や体操をしていない日常の時間の姿勢や呼吸から生み出される。
  2. それらに対する気付きを、健康法や体操法やトレーニング手法を通じて深めたり整えることで、骨や筋肉などの自律的に動かせる運動器の健康を維持向上させる。
  3. ひいては脳(メンタル)や血管・リンパ管・内臓・神経伝達などの内側で行われる全身の生命活動と非常に深く密接に連動して健康が向上していく。

その結果、各人がライフステージやその年齢なりの【マイベストな状態】になっていくのです。

私たちの心身を健康にするためのノウハウや情報は、もう出つくしています。後は、自分がやるかやらないかなんです。素直にアドバイスに従って、無数のトライアル&エラーを繰り返しながら、それでもあきらめずに自分のために素直に行動しつづけられるかだけなんです。

どの健康法であれ長年ろくに使ってこなかった体が、1回や10回で【劇的によくなる】なんてことはないです。外科手術じゃないんだから!その程度の回数でできることは、「前屈で床に手が前よりも近づくようになった」とか、セッション直後に「背筋が伸びた感じ」ぐらいでしょう

ただし、セッションの時間以外でその人の日常生活がグタグタな姿勢のままで、本人も自己修正する気がないならその人の「ノーマル」がもうその状態なんだから、元に戻ってしまいます。既に染みついた悪い姿勢というノーマルを書き換えて、新しいノーマルに上書きしていくには、【一定以上の量、強度、没頭=集中力、そして何よりも重要な精度】でやらないと、成果なんて出ません。
そして、その一定以上とは、世の多くの人が想像しているより【遥かに多くの量】であり、【遥かに緻密な精度】です。

なぜならば、数十年かけて悪くなった姿勢や衰えた筋肉を良くするには、ご自身でも体の仕組みや動かし方を十分に理解する主体性、そしてご自身のその時の年齢や健康状態に適切な負荷で、無理せずしかしチャレンジしながら少しずつ整えて向上させていくことが肝心だからです。心も体も、毎日が一番効くんです。少しずつ整えることが健康への近道です。そのためには【継続】が必要なんです。


素晴らしい指導を提供してくれるインストラクターやトレーナーは、世の中にはたくさんいます。その人と出会ったなら、後は、ご自分次第です。「私、出会ってません」という人は、もっと必死になって探して下さい。自分が不治の病にかかったら、死に物狂いで医者を探すでしょう?そのぐらい必死になって、探すんです。この表のとおり、ただの加齢でさえこれだけ急速に衰えが進行するんですから、便利と目先の安きに流されている現代人ほど、健康寿命はいくらでも短縮するのは容易に想像できますよね。結局、必死さが足りないんですよ。もし出会ったトレーナーが厳しいことをちゃんと伝えてきたなら、それはプロとしての経験と知識で、怠惰に生きてきた人の暗い未来をよく知っているからです。

ですから、本当に良くなりたいなら、言い訳せずにさっさと行動しましょう。成果が出てる人は、みなさんつべこべ言わずやっています。言い訳しているうちに、本当に病気になって、動けなくなる日が来て、死んでしまいますよ。

「体づくりや自己管理、生活改善に本気になれたのは、余命宣告された日でした」みたいなもったいない未来を、自分で設定する必要はありませんから。