【体験レポート】ヨガシナジー@アンダーザライト(代々木)中村尚人先生のクラスを受講 - 2025.07.15

先日、代々木のヨガスタジオ「アンダーザライト」で開催された、中村尚人先生によるヨガシナジーのクラスを受講してきました。
中村先生は理学療法士でありながら、ピラティスやヨガのインストラクターとしても長年の実績をお持ちの方。その確かな身体知と現場経験に裏打ちされたクラスは、単なる「運動」や「リラクゼーション」にとどまらず、身体の奥深くに働きかける知的な体験でした。
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◆ ヨガシナジーとは?
ヨガシナジーは、1980年代にオーストラリア・シドニーで、理学療法士でもあるサイモン・ボルグ=オリヴィエ氏とビアンカ・マクリス氏によって開発されたヨガのメソッドです。日本での正式指導者はまだ数名だそうです。
B.K.S.アイアンガー、K.パタビジョイス、T.K.V.デシカチャールなどの古典的なヨガ指導者たちからの学びをベースに、現代の解剖学・運動生理学の視点を融合させて生まれた、まさに「東洋と西洋の架け橋」とも言えるスタイルです。
ヨガシナジーの特徴:
流れるようなフローで、疲労感を残さずエネルギーが循環する構成
螺旋的・曲線的な動きを重視し、関節にやさしく軸の安定を育む
自然呼吸と調和したムーブメント
解剖学・運動学に基づいた高い安全性
体が硬い方や運動初心者にもやさしいアプローチ
◆ なぜ中村尚人先生を尊敬しているのか
私は今春から、中村先生が主宰する予防運動を探究するオンラインサークルに参加しています。月に1回、2~3時間ほどオンラインで集まり、各メンバーが研究・実践しているテーマを発表し合い、先生からのフィードバックをいただいています。
現代では、「理学療法士×ピラティスインストラクター」や「ヨガインストラクター」を名乗る方が急増していますが、実際に自分自身の身体を通して「動き」を深く理解し、荷重下での統合的な身体操作を体現できる方は極めて稀です。そして、それを専門家同士にも、一般の方にも、適切な言葉で分かりやすく伝える力は、まったく別の能力を要します。
私が当サロンのピラティスページでも述べているように、「理学療法士だから=よいセッションができる」わけではありません。
局所に詳しいこと、動きを読み解く目があること、効果的なアプローチを選べること、それを他者に伝える言語化能力は、すべて別軸での鍛錬が必要です。
中村先生は、そのすべてを兼ね備え、なおかつご自身の実践に日々真摯に向き合い続けている、私が心から尊敬する数少ない専門家の一人です。

中村先生、そして同じ予防運動サークルのメンバーの理学療法士のきししたさんともお会いできました!
◆ 実際のクラス体験
夜7時から始まった90分間のクラスでは、まさに“全身の感覚が呼び覚まされるような”螺旋的なムーブメントの連続で、猛暑日の夜、クーラーも効きづらいほどの人数(24名)で全員汗だく。
呼吸に意識を向けながら、ダイナミックでありつつも無理のない流れに身を委ねていくのは本当に楽しいです。特に印象的だったのは、特徴的な螺旋の動きが現代人がこわばりがちな脊柱、肩甲骨や肩関節、股関節まわりの開放感をもたらしてくれるので、日常で縮こまりがちな部分に、やさしくもしっかりとアプローチされること。ピラティスの基礎をしっかりと習得した人がヨガシナジーを反復練習したら、きっととても面白い思います!
◆ 帰り道の余韻
クラス後は、代々木から自宅までサクサクウォーキング。ピラティスのクライアント層とはまた異なる方々と過ごすスタジオの空間、「ナマステ」と合掌から始まり終わるレッスン(←ピラティスには無い要素。笑)も新鮮で、久しぶりに夜の時間を“自分のためだけに動く”ことに使えたこと自体が、非常に満たされた体験となりました。
◆ 最後に:知識と実践の融合が本物を生む
身体の探求において、「理論」も「実践」も、どちらか一方では成り立ちません。どんなに知識を持っていても、自らの体で経験していなければ説得力がなく、また体の動きだけを感性だけに頼って追っていても論理の裏づけがなければ再現性を持ちません。
ヨガシナジーや中村先生のアプローチから学ぶのは、まさにその「知識と実践の融合」の大切さ。私自身のピラティス指導にも確実に還元されていると感じています。ご興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。知的でありながら、どこか心に深く染みわたるようなヨガ体験になるはずです。
そして、中村先生のこの投稿も、ぜひ読んでみてください。
